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ドリトル先生と京都の狐
第五幕その十
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「後のとても美味しい草を楽しみにしてるよ」
「だからね」
「今は」
 こうお話してでした、そのうえでなのでした。
 一行はまた周りを見回します、ですが。
 ここでなのでした、長老は一行の前に来てこう言ってきました。
「園長さんとは話をつけてきたぞ」
「素を貰ってもいいんですね」
「そうじゃ、植物園の庭にオオバコがあるのじゃが」
「そのオオバコがですね」
 先生がすぐに察しました、そのオオバコこそがだというのです。
「最後の素ですね」
「そうなのじゃよ、しかしじゃ」
「しかしといいますと」
「そのオオバコは外見は普通のオオバコと同じじゃ」
 全くだというのです、その外見は。
「何も変わらない」
「では普通のオオバコと間違えてはなりませんね」
「その通りじゃ、さてここは」
 どうすべきかとです、長老は一行を見ました。ですが。
 すぐにです、今度名乗りを挙げたのは。
「よし、じゃあここはね」
「僕達の出番だね」
「最後の最後はね」
「任せてくれるかしら」
 お馬さんとオシツオサレツにです、チープサイド達が名乗り出ました。まずはお馬さんとオシツオサレツが言うのでした。
「僕達はいつも草、オオバコも食べているからね」
「どのオオバコが特別なのかわかるよ」
「そのことがね」
 だからたというのです、彼等は。
 そしてです、チープサイドの一家もなのです。
「僕達実はオオバコを食べることもあるんだ」
「他の雀はともかく私達一家は大好きなのよ」
「だからね、どのオオバコが特別なのかわかるから」
「だからここは任せて」
「僕達にね」
 一家で言うのでした、そのうえで。
 彼等は植物園のお庭のオオバコ達の中からすぐに一つのオオバコの周りに集まりました、それで先生に言いました。
「先生、これだよ」
「このオオバコがだよ」
「特別なオオバコだよ」
「これだけ匂いが違うから」
 匂い、これが何よりの証拠だというのです。
「これで間違いないから」
「これで最後の素が手に入ったね」
「遂にだよね」
「全部揃ったね」
「うん、これでね」
 その通りだとです、先生も彼等に応えます。
 そしてなのでした、素を全部揃えたところで長老は皆に確かな顔で言いました。
「皆よくやってくれた、ではじゃ」
「はい、これでですね」
「すぐにあの母娘のところに戻ってな」
 そしてだというのです。
「薬を調合するぞ」
「わかりました、それでは」
「いや、どれもそう簡単に手に入れられるものではなかった」
 長老はしみじみとした口調になっています、これまでのことを思い出してです。
「しかし皆よくやってくれたわ」
「そうですね、皆がいてくれたからこそ」
 だからだとです、先生も長老の言葉に応えて頷きます
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