暁 〜小説投稿サイト〜
Element Magic Trinity
壊滅のアマリリス
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しかったよ」

ギルドの入り口の前で足を止め、顔だけ振り返る。
笑っていた――――これ以上ないくらいに、ヘタクソに。
口元は笑みを浮かべているが、その目は悲しそうで辛そうで、今にも泣きだしそうに見えた。


「――――――じゃあな、お前等」


短い別れの言葉。
ただそれだけを告げ、アルカはギルドから姿を消した。
その後ろ姿がどんどん遠くなっていく。

「どういう・・・事?」
「じゃあな、って・・・まさか!」

嫌な予感がした。
嫌な予感しかしなかった。
あのアルカがミラに別れを告げ、ナツ達にも別れを告げる。
それが意味するのは―――――――。

「っ・・・アルカ!」
「ミラさん!?」

ミラは数秒震え、耐えられなくなったように駆け出した。
銀髪を揺らして、ここからじゃもう見えないアルカの背中を追う。

「アルカ・・・」

ルーの声が震える。
被害者の子供と加害者の子供。
ドラマ等でありそうな状況に、ルーはどうしようもなく座り込んだ。

「どうしよう・・・どうしたらいいんだろ・・・」
「ルー・・・」

頭を抱えるルーをルーシィが辛そうに見つめる。
本日何度目か、静かになったギルドに、悲痛なルーの叫びが響いた。

「僕はどうしたらいいんだろう!」










「大変ですね・・・妖精の尻尾(フェアリーテイル)も」

1人の少女が、映像録画魔水晶(ラクリマ)を両掌にのせ、そこに映る光景を見つめていた。

「どうするんです?ミストガン。あなたの所属ギルド、なぁんかいろいろ大変そうですよ?闇ギルドが奇襲してきたみたいですし」
「ああ・・・だが、アイツ等は絶対に引き下がらない。意地でもティアに追いつくだろう」
「ですね♪」

マグノリア、東の森。
その森の大樹の根っこに腰掛けたメープルは、静かに佇むミストガンを見上げて微笑んだ。

「それで・・・今回はどうします?あなただってあのギルドの1人だから黙っていられないとは思いますけど・・・私も力を貸しましょうか?」
「いや・・・メープル、お前はあっちを頼む」

首を傾げて訊ねるメープルに、ミストガンは静かに呟く。

「今回は、私だけで十分だ」

その声に、その覆面で隠された顔に。
目に見えない、確かな怒りを滲ませて―――――――。










「おじーちゃん・・・僕、どうしたらいいの?」

マカロフに目を向け、ルーは問う。
その目は涙を堪えるように潤んでおり、きつく拳を握りしめていないと今にも泣いてしまいそうだった。

「ずっと・・・ずっと血塗れの欲望(ブラッティデザイア)が憎かった。いつか絶対みんなの仇を取ろうって思って、だからティ
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