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Element Magic Trinity
欲望は血に塗れる
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げた。
フードから覗く淡い桃色の髪が風に乗って流れる。

「ティア=T=カトレーンを渡しなさい。そうすればこれ以上の危害は加えない」
「だから・・・姉さんは今、行方が分からなくて・・・っ!」
「その程度の嘘は通じない。“行方が解らない”なんて偽り。あなた達は彼女の行く先を知っているはず」

パラゴーネはそう言うと、再び右手を構えた。

「グラビティメイク、大槌兵(ハンマー)
「があああっ!」
「うあああああっ!」

天井からプレスされるような重力の攻撃に、アルカとルーが押し潰される。
その重力のハンマーはギルドの床を大きくへこませた。

「チッ・・・封印の剣(ルーン・セイブ)!」

それを見たクロスは魔法を切り裂く封印の剣(ルーン・セイブ)をブーメランの要領で投げる。
剣はくるくると回転しながらルーとアルカの頭上を切り裂き、それと同時に2人は重力から解放された。

「サンキュー、クロス」
「これくらい何て事はない・・・だが」

コキリと関節を鳴らして礼を言うアルカに笑みを浮かべてクロスは答えると、その顔から一瞬で表情を消した。

「何度も言わせるな、姉さんはギルドにいない」
「そう・・・なら、どんな手を使ってでも引きずり出す」
「いない人間をか?随分愚かだな・・・貴様、パラゴーネと言ったか?」
「肯定する」

クロスの言葉に、パラゴーネはこくりと頷いた。
そして―――告げる。





「私は血塗れの欲望(ブラッティデザイア)、ギルドマスター直属部隊、暗黒の蝶(ダークネスファルファーラ)の1人、天秤宮のパラゴーネ」





血塗れの欲望(ブラッティデザイア)
それは、バラム同盟の一角を担う闇ギルドの名。
ふわり、とフードを外したパラゴーネの淡い桃色の毛先が肩に乗るくらいの髪が揺れた。
紅蓮の瞳が真っ直ぐにこちらを睨んでいる。

血塗れの欲望(ブラッティデザイア)!?」
「闇ギルドが・・・どうしてお祖母様の使いを!?」

そう、この3人はカトレーンの使い。
つまり、シャロンが闇ギルドに使いを頼んだという事になる。

「パラゴーネ・・・そんな簡単に明かしてはいけないと言っただろう?」
「謝罪する、リーダー。だけど永遠に正体を秘匿可能な訳じゃない。なら早急に明かしてしまった方がいい」
「それはそうだけど・・・」

リーダーは肩を竦める。
パラゴーネは堅苦しいというか不可思議な口調で告げると、ナツ達に目を向けた。

「ティア嬢の存在が無だと言うのなら、前途を教えなさい。そうすれば・・・」

何かを言いかけ、パラゴーネの声が止まった。
正しく言うならば、遮られた。


血塗れの(ブラッティ)・・・|欲望《デザイ
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