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特殊陸戦部隊長の平凡な日々
第7話:新メンバーを選抜せよー1
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3月も中旬を迎え、日々寒さが緩むことを実感できるようになったある日のこと。
時間は午前10時である。
特殊陸戦部隊の隊舎に付属する訓練施設には20名の新規部隊員候補者が
クリーグ・ウェゲナー・フォッケの3人の前に整列していた。

そこに隊舎の方からゲオルグとチンクがゆっくりとした歩調で並んで歩いてくる。
2人はクリーグ達のそばまで来ると緊張した面持ちで立つ候補者たちの顔を眺める。

「揃ってるな?」

「はい。 20名全員揃っています」

ゲオルグの問いにフォッケが応じると、ゲオルグは満足げに微笑んだ。
そんなゲオルグのわき腹をチンクが肘でつつく。

「ん? なんだ?」

ゲオルグがチンクに目を向けると、チンクは不機嫌そうな表情を浮かべていた。

「サッサと挨拶をしろ。 今日は予定がいっぱいなんだ」

「はいはい、わかってますとも」

ゲオルグはそう言ってひらひらと手を振ると、一歩前に出て
もう一度候補者たちを見渡す。

「おはよう。 今日はよく集まってくれた。
 俺が特殊陸戦部隊の部隊長、ゲオルグ・シュミットだ。
 これから新しく特殊陸戦部隊に参加してもらうメンバーの選考を行うわけだが、
 緊張することなくそれぞれの持てる力を如何なく発揮してもらいたい。
 とはいえ実戦形式で行われる模擬戦なので安全には十分留意して
 怪我のないように気をつけてくれ」

候補者たちがゲオルグの言葉に声をそろえて返事をすると、
ゲオルグはもう一度満足げな笑みを浮かべた。
そして隣に立つフォッケを振り返る。

「じゃあ、説明を」

「はい」

フォッケはゲオルグに向かって頷くと一歩前に出る。
そして、候補者たちの顔をぐるっと見まわしてコホンと咳払いをした。

「それでは新規部隊員の選考について説明を始めますのでよく聞いてください」

続けてフォッケは選考の具体的な方法について説明を始める。
そのフォッケの背中を眺めながら、ゲオルグは選考方法について
討議したときのことを思い返していた。





それは、ハイジャック事件から5日ほど経った日の午後。
隊舎にある会議室の1つに特殊陸戦部隊の実戦部隊を掌る者が集まっていた。
イーグル分隊長、チンク・ナカジマ2等陸尉。
フォックス分隊長、クリーグ3等陸尉。
ファルコン分隊長、ウェゲナー3等陸尉。
そして部隊長の副官、フォッケ3等陸尉の4名である。

彼らは会議机を囲んでそれぞれの椅子に座って自分たちを
呼び出した者の到着を待っていた。

「遅いなぁ、部隊長」

クリーグが時計を見ながらぼそっと言うと、ウェゲナーが頷く。

「まったくですね。 なあフォッケ、部隊長は何やってんだ?」

「知りませ
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