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自分の口
第三章
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第三章

 鳩山は無視した。そして三度目はさらに悪質だった。
 ある会社の社員の告発があった。だがそのテレビに出て来た社員はだ。
 その会社の人間ではなかった。鳩山の所属事務所の人間であった。つまり自分の息のかかった人間に芝居をさせてだ。視聴者を騙そうとしたのだ。
 今度ばかりは誰もが怒り狂った。抗議はさらに大きくなった。
 そしてだ。ここで、であった。銀座のその店のことがネットに出て来たのだ。
 そこではまさに言いたい放題でセクハラの限りを尽くす鳩山がいた。だらしない姿で酔っ払いだ。無法の限りを尽くすその姿が流されたのだ。
 これは瞬く間にネット中で騒ぎになった。これによって鳩山への抗議は頂点に達した。テレビ局や所属事務所には抗議どころかデモ隊が来た。当然ながら視聴率は暴落しスポンサーも離れていった。
 こうなってはどうしようもなかった。テレビ局も手を打った。
 番組は打ち切りとなり鳩山は降板となった。そして所属事務所も彼を解雇した。
 彼は何処にも出ることができなくなりだ。しかもだ。
 これまでの悪事のことが訴えられた。セクハラに意図的な捏造報道のことが詐欺罪として告訴されたのだ。詐欺についてはいささか強引な解釈であったようで検察に受理されなかった。だがセクハラは別だった。
 そのセクハラ裁判は一つではなく幾つもあった。それの裁判費用で財産を失っていった。最後には家を手放し家族からも絶縁されてしまった。
 この窮地に半ば壊れてしまった彼はだ。ある行動を取った。 
 何と中東に行き報道をはじめたのだ。それをパソコンに実況しはじめたのだ。
「ここがその戦場です」
 砲撃が乱れ飛ぶ中をだ。焦点の合わない目で語る。表情は虚ろだ。砂塵の中で語っている。
「ここで多くの兵士達が・・・・・・」
 言葉は最後まで言えなかった。砲弾の直撃を受けて吹き飛んでしまった。それにより身体は四散してだ。首が大きく跳ね上がった。
 その首が地面に落ちて転がる。その一部始終がネットで流れたのだった。これがこの鳩山という男の無様な最後であった。
 それを見てだ。誰もが言った。
「自業自得だな」
「ああ」
「本当にな」
 誰も同情しなかった。
「これも当然の末路だな」
「自分が招いたことだからな」
「ざま見ろ」
 彼の過去を知っているからこその言葉だった。
「地獄に落ちろ」
「そのままな」
「いい末路だったぜ」
「全くだ」
 葬儀には誰も出なかった。それどころかネットではその死んだ場面での書き込みはまさにその死を喜ぶものばかりであった。
 これがこの鳩山の一生だった。その栄華の果てには無様な末路があった。その無惨に落ちた首の末路はだ。そこを通りがかった戦車に踏み潰されてしまった。こうなったのは何故か、彼は最後までわから
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