暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
オリジナルストーリー 目覚める破壊者
56話:一年ぶりの再会、決別の殺意(やいば)
[1/6]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話



何が起こったかわからなかった。

ただ……目の前の人物が、門寺 士だということはわかる。だが、どうして彼が突然現れたのか。
ここまで一切の情報が入ってこなかったのに、何故…?

「つかさ…くん…?」

なのはが呼びかけると、振り向いた状態で士は一瞬表情を歪めた。
だからこそ、なのはは再び士の名前を叫んだ。

「士君!」

そして士に向かって、歩みを進めようとして―――

ズダァァンッ!
「―――ッ!?」

銃声と着弾した音。その二つが一緒に響き渡り、なのはの足元の雪の一部から小さな煙が立っていた。

「え…?」

なのはは一度足元を見てから、顔を上げる。士の手には白い銃が握られており、その銃口からも煙が立っていた。

「―――…一つ質問をする」

茫然としているなのはを他所に、士は口を開いた。だがその口調は知り合いに向けるようなものではなく、何かなのはを圧迫するような物腰だ。

「この世界は『第97管理外世界』で合ってるか?」
「え…?」

またしても驚愕するなのは。久しぶりに会ってみれば銃を向けられ、当たり前のことを聞いてくる。しかし目の前の人物は、確かに門寺士の筈だ。

「…そ、そうだよ。ここは第97管理外世界、地球……士君が生まれ育った、海鳴の街だよ!」
「……そうか…」

なのはの答えに短くそう答え、ゆっくりと銃を下した。それを見て、なのははほっとする。
―――だが、

「―――なら、お前には消えてもらおう。管理局員(・・・・)」

「っ!?」

士は再び銃を構え、その銃口をなのはへと向けた。今度は地面ではなく、完全になのはへと、だ。
なのはは驚きながらも、その危機的状況に即座に反応し、横に飛んだ。
そして士は躊躇なく引き金を引いた。放たれた弾丸はなのはの肩をかすめ、そのまま先にある木に命中する。

「…な、なんで……」
「なんで、とは…俺がお前を管理局員と見破ったことか?それともお前を攻撃する理由か?」

どれも違う。なのはが言ったのは、士がなのはの事を管理局員と呼んだ事……つまり、名前を呼ばなかった事だ。
一年ぶりの再会だというのに、この反応は…この行動は可笑しすぎる。

「お前は、この世界が第97管理外世界だと言ったな?その名称は管理局でしか使われてない筈だ。ましてここは管理外世界。この世界の普通の人間がこれを言うものじゃない」

銃口を向けながら淡々と話し始める士。だがなのははその言葉の半分も耳に入っていなかった。
自分の所為で行方不明になった人が、今目の前にいて…しかも自分に敵意を向けている。その状況に頭が付いていけていないのだ。

「そして管理局員に会ってしまっては…こちらとしてもマズいのでな。今ここで消えてもら
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ