暁 〜小説投稿サイト〜
パンデミック
第五十四話「報告と処遇」
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
―――【エクスカリバー本部・会議室】


本部防衛作戦の報告と交戦記録、そしてブランクの今後の処遇を決める会議が始まろうとしていた。

会議室には、支部長以外の上層の人間がほぼ全員揃っていた。
全部隊統括指揮官であるヴェールマンも参加している。
ヴェールマンの両隣には、"クラウソラス"と"カラドボルグ"のメンバーがそれぞれ座っていた。

しばらくして、会議室の一番奥のドアが開かれ、支部長が入ってきた。


「さて、私で最後ですか?」

支部長の質問に、全員が頷いた。


「それでは、会議を始めましょう。…………まずは被害報告から」

ヴェールマンが立ち上がり、報告を始めた。

「第1装甲壁のゲートは大破。装甲壁自体のダメージが大きく、元通りに修復するのに約2ヶ月。
第2装甲壁のゲートも破られましたが、装甲壁へのダメージは少なく、ゲートさえ修復すれば
問題は無いでしょう。必要な資材の60%は揃っていますが、全て揃うまでどれほどかかるか…………」

「…………そうですか」

「あれほど大量の感染者に囲まれていたにも関わらず、被害は思ったより少ないな」

「ヴェールマン、君の指揮能力の高さには感服した」

「ありがとうございます」

ヴェールマンは一礼し、席に座った。


「では次に、襲撃者に関する情報について、です」

タガートが立ち上がり、報告を始めた。

「実は………あの感染者による本部の被害は、司令が報告した通りなんですが………どういうわけか
本部前の市街地には全くと言っていいほど、被害がありませんでした。グリーンゾーンは健在のままです」

「どういうことだ?」

「はっきりしたことは分かりません………ただ……」

「ただ?」



「これは主観でしかないんですが……感染者の群れは、まるで本部のみを狙っているように見えました」


タガートの言葉に、全員が黙り込んだ。
少しして、支部長が口を開いた。

「まさかとは思いますが………感染者の制御、でしょうか……」

その意見に、ヴェールマンは賛成だった。

「あり得ない話じゃないですね。感染者の中には適合者が数人紛れ込んでいました。おそらく彼らが
感染者を手引きしたんでしょう」

「感染者を手引きした?」



「もしそうだとすれば…………敵は何故、どうやってこの本部を襲撃した?」



一番の問題点は、敵の目的と方法。

何故、全世界で一番防御の硬い本部を襲撃したのか。

どうやって大量の感染者を本部まで連れてきたのか。





「目的と方法がはっきりしない分、敵の脅威は計り知れないものです。皆さんには、引き続き調査を
お願いしたい。よろしい
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ