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乱世の確率事象改変
彼女の望みのままに
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私達は覚悟を決めたの。罪滅ぼし……って言い方は卑怯かもしれないけど、この乱世を早く終わらせる為に協力しようと、出来る事をしようと思ったのよ」

 凪も、真桜も、沙和も……人和の顔を見つめた。瞳に揺れる哀しみを見て、内にある気持ちを読み取っていく。

「私達だって何も思わないで歌ってるわけじゃない。元気づけてあげたくて、人生を楽しいと思って欲しくて、皆を笑顔にしたくて何時だって歌ってる。誰にだって戦ってほしくないし、誰にだって幸せになって欲しい。でも……」

 少し震えた声。途切れた所で目をぎゅっと瞑ってしばらく両の拳を握っていた。ゆっくりと息を吐きだして、人和は目を開いた。

「でも今の世の中じゃ無理でしょう? だから華琳様を手伝う為に、私達は知ってて扇動の一端を担ってる。今回の事も一緒なの。あなたたちが戦う理由も同じでしょ? 今の世の中を華琳様と一緒に変えたいから、沢山の兵を犠牲にして戦ってる。違う?」

 きつい口調ではあったが責めてはおらず、ただ淡々と事実を突きつけられ、三人はそれぞれが悩み始めた。
 自分達が戦う理由を問われて、今までにない程にそれに意識を向けて行く。

「さ、昏い話してると料理の味も落ちるわ。店長に怒られちゃうし、自分で答えを出してからしっかりと味わって食べたほうがいいんじゃない?……そうね、後はあなた達の心持ち次第だと思う。私は華琳様の作る世界が幸せな世界だって信じてる。その世界になるまで、いえ、その世界になってからも、私達はこの血に塗れた喉が潰れるまで、人を幸せにする為に歌いたい。姉さん達も同じ想いよ。それと、どうしても自分達で分からなかったら華琳様に話したほうがいいわ」

 言い切り、そのまま人和は食事を続けて行く。
 三人はしばらくそのまま、自分達の気持ちを見つめなおしながら、目の前に並べられた料理を無言で見つめ続けた。


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