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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
神明裁判 A
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・確かに、それはウィラにピッタリ当てはまる!」
《いや、普通に嫌いなだけでしょ・・・》

湖札は、あえて突っ込みを心の中で行った。
その右手は、つい気持ち悪さからリンの左手とつながれている。
どちらかが意図的に行ったのではなく、自然に、お互いが。何かにすがりたかったのだ。
こんな気持ち悪い話、聞かされている身にもなってほしいのだろう。

「それに、この状況!なんともおあつらえ向きではないか!」
「おあつらえ向き・・・何のことを言っているのだ?」
「このギフトゲームのことだ。」

そう言いながらその男が取り出したのは、“神明裁判”の契約書類。

「このゲームにおいて、我々は『裁くべき悪』となっている・・・ということは、様々な困難があることだろう。それを乗り越え、マー君がウィラ嬢の元にたどり着くというのは・・・」
「おお・・・なんと運命的なのだ!!」

自分の開催したゲームをそんなふうに解釈されている一輝は、いい迷惑だ。

「・・・では、ついでに一つ頼まれてくれませんか、マクスウェルさん?」

リンはこれをチャンスと見て、マクスウェルに提案をする。
ただし、左手は湖札と繋いだままだ。

「なんだね、“軍師(メイカー)”殿?」
「とりあえず、貴方は今から避難民と残存戦力を叩いてください。空間移動が可能な貴方なら、一人でもそれが可能なはず。」

リンの提案に、マクスウェルはほんの少し顔をしかめる。
その様子から、このまま後少し押せば・・・と、リンは追い討ちをかける。

「はぁ・・・全く。マクスウェルさんは、乙女心が分からない人ですね。」
「「は?」」

二人のキモイやつらの声が重なった。
そんな様子のマクスウェルに『ビシィ!』と音がなりそうな勢いで指を差し、

「いいですか?貴方の花嫁・ウィラ=ザ=イグニファトゥスは今、窮地に立たされています。きっと・・・いえ、間違いなく心細いことでしょう。誰かに支えて欲しいことでしょう。抱きしめられて、安心したいことでしょう。頼りになる運命の王子様に迎えに来て欲しいことでしょう!こんな絶望的な場面に颯爽と現れる実力派美形残念ストーカーがいたらどんなに気持ち悪い相手でもチョロインよろしくメロメロコロンになることは、確定的に明らかなのです!」
「ちょっと待ってリン!それはさすがに無茶が、」
「メロメロコロンだと!?」
「なかった!?」

湖札が突っ込み役になってきた。

「そうです!上手くすればモミモミ(、、、、)パフパフ(、、、、)です!」
「も、モミモミ(、、、、)パフパフ(、、、、)だとッッ!!?」
「それはないです!さすがに、どんだけチョロインでもないですよ!!!」

湖札の、一人の恋する乙女として精一杯のウィラのための
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