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不老不死の暴君
第五十五話 海戦
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水軍士官は自分の指揮下の1個小隊を甲板に集め、不審船を眺めていた。

「かなり高い確率で海賊船ですね。凄い勢いでこっちに向かってます」

望遠鏡で不審船を見ていた水兵が苦笑いしながら水軍士官に報告する。
なにせ望遠鏡で確認できた不審船の乗組員の姿が荒事向きの人間ばかりだったからだ。
その上、大砲の用意をしている様子まで確認できている。

「しかし、かなり分が悪いですね」
「ああ、ある程度武装があるとはいえ、こちらは客船。それに対し向こうはシーランド製の武装商船だ」

水軍士官はそう言った。
商船とはいえ高い性能を誇る有名なシーランド製。
それに向こうは海賊なのだから殆ど戦闘員ばかりだろう。
それに対し、こちらはある程度武装があるとはいえ、こちらは客船だから客を守りつつ戦わねばならない。
まったくもって不利な要素しかない。

「紋章官、船長に救援信号の煙を上げるように伝えろ! 砲手は右舷の大砲準備! それと操舵手、不審船の横につけろ!!」

水軍士官の命令を受けて数人の水兵が動きだした。

「隊長、こちらから近づく必要があるのですか?」

新入りの水兵が気まずそうに水軍士官に問いかける。

「逃げたところで向こうの方が速いのだから追いつかれる。敵に背を向けながら一方的に砲撃を食らう位ならこちらから仕掛けた方がいい」

それに救援信号を確認した帝国水軍が駆け付けるまで時間を稼げばそれでいいのだからな。
その言葉を聞いて安心した顔で新入りは水軍士官から下された命令に従った。



不審船が接近している。
そのことはバート交通公社の社員の口からセア達にも知らされた。

「それで客を一か所に集めるよう軍の方から言われましたので……お願いします」

社員は上から伝えるように言われたことを言い終わると部屋から出て別の個室へ向かった。

「さっきの海賊船だったのかな?」

セアはさっき海上で見た船影を脳裏に浮かべながら言った。

「おそらくそうだろうな」
「大丈夫なんでしょうか?」

パンネロが不安そうな声で言った。

「大丈夫だ。俺がいる」

バルフレアが安心させるように優しい声で言う。
それを見てヴァンとセアが顔を顰める。

「そこはヴァンに言わせてやれバルフレア」
「ヴァンに女心がわかるのか?」
「……無理そうだな。馬鹿弟子には」
「お前ら!!」

ヴァンは女心というのを理解できていなかったが自分が馬鹿にされていると思ったので叫んだ。

「まぁ馬鹿弟子はほっとくとして避――」
「無視すんな!!」
「――難場所に移動しようか」

セアは普段から割と無視されてないかお前はと思いながらヴァンの言葉を無視した。



一方、海賊船ではギャンス
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