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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
無印編
第三十四話 黄金の輝きと代償   ★
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ええ、大丈夫です。
 もう少しだけ待ってください。すぐに終わらせます」

 プレシア女史を横たえ、ジュエルシードに向かって一歩前に踏み出した。
 終わらせる?
 この絶望的な状況をどうやって?
 頭に浮かぶ疑問、それを尋ねようとする。
 その時、ブリッジに飛び込んできたなのはさんとフェイトさん、アルフさん。

 ものすごい勢いで飛びこんで来た三人に多少呆然としつつ、士郎君への質問を呑み込み三人が無事な事を確かめようと声をかけようとした。
 だけどモニターの向こうの異常ともいえる光景に言葉を紡ぐ事も忘れ、私はモニターに見入ってしまう。

 なぜなら士郎君は眼に見えるほどの膨大な魔力を放ち、黄金の瞳をジュエルシードに向けていたのだから。




side 士郎

 オハンが金切り声を上げるとほぼ同時に天井が落ちてきた。

 すぐさまプレシアを腕に抱え込み、盾を天井に向ける。
 そして紡ぐ言葉。
 それが

叫び伝える黄金警鐘(オハン)!!」

 オハンの真名開放であった。
 盾から広がる守りの光。

 黄金の盾『叫び伝える黄金警鐘(オハン)
 ケルト神話にてクルフーア王が持っていたとされる四本の黄金角と四つの黄金の覆い、持ち主に危機が迫った時に金切り声を上げる盾である。
 さらにその強度はカラドボルクの一撃を受けてもへこむ事はなく無傷であったといわれる。

 ならば確かに膨大な質量ではあるがただの瓦礫の雨如き防げぬはずがない。

「……ずいぶんとふざけたモノね」

 腕の中のプレシアがそんな事をつぶやくが無理もないだろう。
 宝具という規格外の防具。
 さらに魔術師とは根本的に違う魔導師にとっては完全に異質なものだろう。

 黄金の守りが瓦礫の雨を防ぎ続ける。

 そして、崩壊が一段落つき、守りの光が収まる。

「士郎君、怪我は?」

 とそれと同じくしてモニターが現れリンディさんの心配そうな表情が映し出された。

「ええ、大丈夫です。
 もう少しだけ待ってください。すぐに終わらせます」

 映像の向こうのリンディ提督にかすかに笑いかけ、プレシアを安定した場所に横たえオハンを握らせる。
 真名開放は出来ずとも何かあれば自身を守る手段にはなるはずだ。

「すぐに片をつける」
「ええ、待っているわ」

 プレシアの言葉に頷き、ジュエルシードへ一歩前に踏み出す。

 解放されたジュエルシードは八つ。
 海鳴で破壊したジュエルシードの時とは魔力の量、密度共に段違いだ。
 まあ、数が八倍なのだから当然といえば当然だ。

 そして俺にはこれを破壊する術がある。

 かつての相棒にして騎士王の彼女が持ちし聖剣。
 大聖杯すら破壊するこ
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