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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
名の継承
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たように顔を上げ、

「あ、お札のストックがねえ。」
「常にストックしときなさいって言ったでしょうが!」

られなかった。
まあ、それでもどうにか顔を上げ、指示を出す。

「とにかく、指示を出したところはその通りにお願い。“サラマンドラ”は敵の群れが出る前に防衛陣と結界をお願い。神霊級を一体でも下層に逃がしたら目も当てられないわ。心してかかって。」
『心得た。』
「姉御も御武運を!」

そうして、指示を受けたものたちは飛び立っていった。

「ん?君は・・・“月の兎”の子?」
「あ・・・はい。黒ウサギといいます。」
「黒ウサギ・・・そっか、そう言うことか。それでこれだけのメンバーが。」

示道はようやく現状を把握しきり、表情が真剣なものになる。

そして、話しかけられたことで我を取り戻した黒ウサギは、ようやく彼女らが何者なのかという疑問にいたった。

マヤの終末暦(マヤ・ヒストリー)”。“キルケー”。“エレシュキガル”。
“ヘル”。“アテ”。“ネメシス”。
“メリッサ”。“ブロッケンの魔王”。“ザババ”。
“リリス”。“リリム”。“ブードゥーの魔王”。
“ハンニャ”“ラジェル”。“ゴモリー”。
“アスタルテ”。“バルベロ”。“パルテノペー”。
“ウアジェト”。“バステト”。“ディスノミア”。
そして、その二十一の魔王を隷属させる男。
純血の吸血鬼。“燕尾服の魔王”。日天の獅子の同士。
南の支配者・“アヴァロン”と“龍角を持つ鷲獅子”。
北の支配者・“サラマンドラ”と“ラプラスの悪魔”。
そこには一切の統一性がないが、只一つ、これだけの集団を問答無用で呼び出せる金糸雀という女は只者ではないことだけは分かる。
そして、多くの魔王を従わせている青年もまた、只者ではない。
そう言う意味合いを込めて黒ウサギが二人を見上げると、彼らはいたずらっぽい笑みを浮かべて答える。

「そういえば、自己紹介がまだだったわね、ウサギの御子様。私は“      ”の参謀を任されてる金糸雀よ。」
「俺も一方的に名乗らせちゃったな・・・俺は“      ”に所属してる、只のプレイヤーで陰陽師の卵の高橋示道だ。」

が、一人その立場がよくわからなかった。

「あんたは今度何か役職を付けたほうがよさそうね・・・」
「やだよめんどい。まあ、安心して。君の今後についてはまたあとで話せばいいし、生き残りのウサギさんは俺たちで保護するから。」
「ほ、本当ですか?」
「もちろん。私たち“      ”は、連盟の同士を決して見捨てない。その中でも、“月の兎”は同じ旗の下で戦った同士よ。見捨てるはずがないわ。だから、今は休みなさい。」

そう言って金糸雀が黒ウサギの額に口付けをすると、黒ウサギは眠りに落ちた。

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