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ソードアート・オンライン〜十一番目のユニークスキル〜
唯一無二の不確定因子
第九話 胸騒ぎ
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ユージオを見送った後、俺とアリスは<はじまりの街>の主街区を歩いていた。


「なあ、アリス」


俺はアリスの方を向いて呼んだ。しかしアリスは俺の方を見ずに返事を返す。


「なんですか?」


「・・・・・・さっきはありがとな。あそこでアリスが言ってくれなかったら、俺はユージオの気持ちに気付けなかった」


すると、アリスは俺の方をちらりと見たが、すぐにそっぽを向いた。


「・・・・・・勘違いしないでください。お前のためではなく、ユージオのためです」


その様子を見て俺は ”相変わらず素直じゃねえな” と心の中で思いながら微笑を浮かべた。


「ま、どちらにせよ、お礼をしないとな」


「でしたら、食事に付き合ってください。部屋に戻ってもこの時間ですと、まだキリトがいると思いますので」


アリスが意外な反応を示したので少し驚いた。しかし理由を聞くと納得した。確かに、あの二人の邪魔をするのは野暮ってもんだしなと思い、俺はニヤッと笑い、OKと答えた。


「じゃあ57層の主街区に、NPCレストランにしてはイケる店があるから、そこに行こうぜ」


「いいですよ。それと、言い忘れてましたがお前のおごりですからね」


それを聞いて俺は ”食事に付き合うだけじゃないのか!?” と心の中で叫びながらも頷いた。


「ま、お礼だしな。任せとけ」


「でしたら早く行きましょう。お腹が空きました」


そう言ってアリスは早足で転移門に向かった。その顔は少し笑っているような気がした。





はじまりの街から転移門経由で57層主街区<マーテン>に移動した俺とアリスは、メインストリートを五分ほど歩くとあるやや大きめのレストランの前にいた。


「ここですか?」


そう(たず)ねてきたアリスに、俺は頷いた。


「そ。オススメは肉より魚だ」


スイングドアを押し開け、ホールドしてアリスを(くぐ)らせる。そしてすぐにアリスは店内を移動して、窓際のテーブルの椅子に座ったので、その向かいに俺も座った。そして食前酒から前菜、メイン料理、デザートを二人分注文して、ふぅ、と一息いれる。
速攻で届いたフルートグラスに唇をつけてから、アリスも同じように、ほうっと長く息をついた。


「そういや、明日空いてるか?」


突然の質問にアリスは首を傾げた。


「なぜですか?」


「明日、最前線の探索に行くから一緒にどうかな、と思ったからさ」


するとアリスは怪訝そうな顔をする。


「・・・・・・なぜ私なのですか?」


「いや、最近モンスターの戦術が読みにくくなってきているから、できればパーティを組
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