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ドリトル先生と京都の狐
第一幕その十
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 朝御飯も美味しいです、ですが。
 その中にある糸をひいたお豆を見てです、トミーは困った顔になって先生に言いました。
「あの、これが噂の」
「うん、納豆だよ」
「そうですよね、これが」
「美味しいよ」
 笑顔で言う先生でした、他のメニューはお味噌汁にお漬物に卵焼きです。そうしたものは美味しいのですが。
 それでもです、その納豆だけはでした。トミーは困ったお顔で言います。
「けれどこれは」
「駄目かな」
「これ本当に美味しいんですか?」
 こう言うのでした。
「匂いも凄いですよ」
「いやいや、匂いもね」
「これもですか」
「慣れると美味しく感じられるから」
 だからだというのです。
「トミーも食べるといいよ」
「先生はもう納豆は」
「食べられる様になっているよ」
 実際にです、先生は納豆のパックを開けてそこにお醤油とからしを入れてかき混ぜています。それを自分の御飯の上にかけています。
「御飯ととても合うんだよ」
「そうなんですか」
「そうだよ、これがね」
「腐ってませんよね」
「ヨーグルトと同じだよ」
「じゃあ発酵させたものなんですね」
「やっぱり腐ってるって思ったね、トミーも」
 先生はトミーの今の言葉に笑って言いました。
「やっぱりね」
「だって本当に匂いが」
 発酵したのではなく腐っているのではないのか、トミーは納豆の色や引いている糸まで見てそのうえで思ったのです。
「そうした匂いですから」
「そうだね、けれどね」
「腐ってるんじゃなくて発酵させてるんですね」
「だからヨーグルトと同じだよ」
「それでしたら」
 そう聞いてです、そしてなのでした。
 トミーも先生が納豆をとても美味しそうに食べているのも見てそれで自分もなのでした。食べてみようと決意しました。
 それで食べてみます、先生と同じ様にして。すると。
 その味にです、目を見開いてこう言いました。
「あっ、これは」
「美味しいね」
「はい、とても」
 こう言うのでした。
「美味しいです」
「そうだよね、納豆はね」
「匂いは凄いですけれど」
「その匂いも慣れているとね」
「美味しい臭いに感じられるんですね」
「そうだよ、それに納豆は大豆だから」
 お豆であることは見ただけでわかります。
「身体にも凄くいいから」
「食べるべきなんですね」
「うん、僕も最近よく食べているよ」
「それじゃあ先生最近は」
「前よりも健康になったよ」 
 にこにことしての言葉です、見ればお顔の色がかなりいいです。お肌もつやつやとさえしている位です。それが今の先生です。
「この通りね」
「そうですか、納豆のお陰ですね」
「納豆以外にも身体にいいものを食べているからね」
「このお味噌汁に梅干もね」
「そういっ
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