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戦国御伽草子
参ノ巻
死んでたまるかぁ!

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 よく川に落ちる人生よ・・・。



 あたしは天井を見上げながらしみじみと思った。



 世間広しと言えど、こんなに何度も川に落ちた姫も、その度にしぶとく生還している姫も、あたしぐらいのものよね。



 で、ですよ。



 あたしは何で川で流れる羽目になったのかって話。



 あたしは布団で横になりながらもふんと腕を組んだ。



 水に流されながら聞こえた女の声。その前、夢か現かわからない混濁していた意識の中でも同じ女の声がしていた。多分、だけど、あの声は幻でもなんでもない。と・・・思う。キッパリそうだ!って断言できないのは、そう言える根拠が何もなく、ただあたしの直感ってだけだから。



 でも、こういう時のあたしのカンは信じることにしている。そして大抵、それは当たるのだ。



 そしてその声はこう言っていた。あたしが生きていることを、誰にも知られてはいけない、と。知られたら、あたしの大事な人を皆殺す、と。



 幻だと切り捨てるには、その声の孕む意味は重すぎた。



 だって実際に毒湯を飲んで、あたしはてっきり死んでしまったかと思った。本当に、はっきり死んだと覚悟するほどの吐血量だった。でもこうして目を開けて、どこかもわからない家の布団に寝転がっている。あたしが死にかけたのがもし、声の主のせいなら、皆殺しにしてやるというそれも、幻聴だと聞き流せる訳がない。



 それにその声は、ごく普通のことを言うように刃のような禍言を吐いた。まるで楽しいおもちゃを見つけたかのように、あくまで遊びだとでも言うような気安さで。それが逆に言っていることが冗談なんかではないと背が寒くなるような声だった。



 ・・・。



 非現実的なことを言ってしまえば、よ。



 あたし、呪われたのかなぁ、と。女の幽霊に。もしくは取り憑かれている?もーわけわかんないけれど、今までの状況を考えれば、それが一番しっくりくる気がするのだ。



 お祓いぐらいでどうにかなるものならいいけど・・・あたしはそもそも信心深い性格(タイプ)じゃないし、幽霊云々も積極的に肯定してまわる方でもない。坊さんの加持祈祷(かじきとう)なんて子守歌か気休め程度にしか思っていないから、そんなあたしが今更仏様に縋りついたところで、効果があるかどうかは疑わしい。



 いや、ちょっと待って。あたし、皆のところに戻れないの?ということは一文無し。読経が効く効かない以前に、お祓いなんてそんなことを頼む金もない。生活のアテもない。



 身売り・・・という単語が頭に浮かんだ。一人で暮らすとしても、女の一人暮らしなんて誰にとってもいいカモだし、死ぬよりも屈辱的な目
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