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大義
第三章
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第三章

「だからだ。寺院が神聖かどうかはどうでもいいんだ」
「問題はそこに人がいるかどうかだな」
「そういうことだ。あの寺院はこの島でも有名な観光名所だ」
「ああ」
「いつも大勢人がいる」
 それであった。
「人が大勢いさえさえすればいいんだよ。それでな」
「そういうことか」
「そうさ。だからな」
「寺院でもテロをやる」
 アンボンは言った。
「そういうことだな」
「そういうことさ。わかったらだ」
 マナドは落ち着きながら言葉を続けるのだった。
「俺達の任務も連絡が来たぞ」
「テロリストの発見か」
「寺院の警護及び爆弾の発見は軍がやるそうだ」
「そして俺達がテロリストをやる」
「そう決まったみたいだな」
 ここでまたそれぞれ携帯を見つつ話をする二人だった。
「本当に動きが早いな」
「携帯は便利なものだな」
 アンボンは自分の携帯を見つつまた言った。
「こうしてすぐに情報が届くんだからな」
「全くだ。俺達の仕事もやり易くなった」
「そうだな」
「そしてだ。集合場所と時間の連絡も来ているな」
「あそこか」
 二人はそこが何処なのかすぐにわかった。
「それで時間は。成程」
「この飯を食う時間はあるな」
 マナドは今度は焼き飯を食べつつ述べた。アンボンは焼きそばを食べている。
「食べてから行くか」
「そうするか。しかし今回は本当に動きが早いな」
 アンボンはまたこのことを言うのであった。
「電光石火って言うのか?これは」
「それだけ事態が急なんだろうな」
 マナドは相方に静かに述べた。
「それに」
「それに?」
「相手はテロリストだ」
 マナドの言葉はテロリストというところで鋭いものになった。
「うかうかしていられる相手じゃない」
「そいじょそこいらの痴漢やひったくりとは全く違うのは確かだな」
「連中は話し合いとかそういうことも無駄だ」
 だからこそテロリストをやっているのだ。話し合いができるのならばとうの昔に選挙に出ているか市民団体になっている。とりあえず二人のいるこの国はその程度の主張は許される国家なのだから。
「やるかやられるかだからな」
「そうなるか」
「俺達は市民を守らないといけないだろ?」
「ああ」
 アンボンはマナドのこの言葉に対してこくりと頷いた。まだ焼きそばは口に入れているがそれでも眼差しは真剣なものであった。
「それが俺達の仕事だからな」
「奴等の大義なんてどうでもいい」
 マナドは今度は言い捨てた。
「俺達は俺達の仕事をやる。それだけだ」
「じゃあ。行くか」
「食べ終わってからな。行くとしよう」
 こう言葉を交えさせそのうえでその焼き飯と焼きそばを食べ終えてそのうえで集合場所に向かうのだった。そこはある地下の駐車場で既に二十
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