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勇者番長ダイバンチョウ
第14話 男の直球勝負!野球の華は大逆転
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【それこそどうにでもできます。倒されたならばまだ良し。その後で弱った奴らを我等が葬れば良い。その逆もまた……と、言う訳です】
【なる程、用が済めば始末してしまえば良い。と言う事なのだな】
 互いに黒い笑みを浮かべあう両者。そうと決まったら、行動はとても早かった。ゴクアク組はダイバンチョウとその仲間達に多額の懸賞金を掛けて宇宙中にその報せを配った。後数日もしない内にダイバンチョウを倒して名を挙げようと目論む強豪宇宙人達が訪れる事になるだろう。
 そして、それはダイバンチョウ、更には轟番達に更なる強敵が迫ると言う揺ぎ無い事実だと言える。




     ***




 番町内にある野球場では今、大勢の人達で賑わっていた。と、言うのも野球場と言っても草野球をする為の簡素な敷地だったりする。手書きで書かれたダイヤモンドにベースの変わりとして代用してある捨てられたマンホールの蓋など、結構お粗末な作りだったりする。
 そして、現在そのバッターボックスに番は立っていた。更に言えば、他の野球団員達もまた番と同じ学生ではなく、敵も味方も全て筋金入りの極道達であった。皆顔に傷があったり強面の顔だったりなど恐ろしい面々達だった。
 無論、その中には番の家族も居て応援している次第であった。
「頼みますよぉ番君! 君が此処でホームランを打ってくれれば我等山之辺組の勝ちは確定だ! 絶対に打ってくれよぉ!」
「おう、任しておけ! その変わり、ホームラン打ったらさっきの約束、ちゃんと守ってくれよな!」
「勿論、宝○歌劇団を見ながら焼肉食べ放題サービルだろ? ちゃんと手配させて貰う。だから頼む! 此処でワシ等が負けると後々面倒なんだ」
 両手を合わせて哀願する山之辺組員達。どうやらヤクザの組同士で行われている草野球の助っ人として呼ばれたようだ。因みに山之辺組とは今番達が住んでいる家の土地をかつて所有していた組織である。しかし、父と祖父の手により壊滅寸前まで追い詰められて以来、轟家には絶対服従の関係をとっている。下手に逆らうと今度は番に確実に壊滅させられてしまうからだ。
「兄ちゃん! 絶対ホームラン打ってくれよぉ! 俺宝○歌劇団の演技絶対見たいんだからさぁ!」
「おう、この俺にドンと任せておけって! この後でお前やお袋に腹一杯焼肉食わせた上に今話題の宝○歌劇団を生で見せてやるからよぉ」
 期待の眼差しを向けてくる弟に兄として期待に応えねばならないと言う強い使命感に燃えている。
 が、実際に言えば早く焼肉を食べながら宝○を見たいと思っているだけなのかも知れない。
 そんな訳でバッターボックスにて番がバットを両手で握り締めている。目の前ではこれまた筋者と思わしきヤクザ者が自分の組の頭文字の彫られた帽子を被り番を睨んでいた。
「へ、山之辺組
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