暁 〜小説投稿サイト〜
ビリーおばさんとタビタおばさんのお話
第四章
[1/2]

[8]前話 [1] 最後
「大変なことになるから」
「憂さ晴らしで飲むとか言うけれど」
「こっちはね」
 雌猫の方はといいますと。
「そうしたことは出来ないから」
「憂さ晴らしをしようと思えば」
 それこそだというのです。
「もうね」
「こうしておしゃべり位しかないわよね」
「そうそう」
 こう言い合うのでした。
「気の合う者同士でね」
「それ位しかないから」
「雄猫は気楽でいいけれど」
「雌猫はね」
 つまりです、自分達はだというのです。
「気苦労ばかりで」
「休むこともあまり出来ないで」
「朝から晩まで働き通し」
「子供は言うことを聞かないで」
「主人はお家では何もしない」
「そんなのだからね」
 こうとりとめのないお話をしていくのでした、そうしてあれやこれやとお話をしているうちにです。ふと気付けば。
 影が長くなっていました、お日様もその姿を消そうとしています。タビタおばさんはそのことに気が付いてでした。
 ビリーおばさんにです、こう言いました。
「じゃあそろそろね」
「そうね、もう夕方だからね」
「今日はこれでね」
「またの機会にね」
「今度うちに来て」
 タビタおばさんはにこりと笑ってビリーおばさんに言いました。
「それでお茶でもね」
「いいわね、じゃあティーセットも揃えてね」
「お茶を飲みましょう」
 こう言うのでした。
「そうしましょうね」
「そうね、いいわね」
「そういうことでね」
 こうお話してでした、そのうえで。
 お家に帰るとです、戸締りはちゃんとしていました。タビタおばさんはまずはこのことによかったと思いました。
 それでお家の中に入るとです、散らかっていませんでした。そしてトム達はどうしているかといいますと。
 積み木で遊んでいました、タビタおばさんはそれを見て子供達に言いました。
「絵本は?」
「もう飽きたよ」
 トムは積み木を上に上にと重ねながら答えてlきました。
「だって何度も何度も読んだから」
「それで積み木をしてるのね」
「駄目かな」
「絵本の方がお勉強になるのよ」
 おばさんはちょっと怒った感じの口調でこう返します。
「全く、飽きっぽいんだから」
「飽きたから仕方ないじゃない」
 トムはお母さんに言い返します。
「何度も何度も読んで」
「十回は読んだわよね」
「そうよね」
 ミトンもモペットもそれぞれのお顔を見合わせて言います。
「もうね」
「それ以上かもね」
「だからいいじゃない」
「十回と言わずにね」
 お母さんは言い返してきた子供達にさらに言うのでした。
「二十回でも読みなさい」
「えっ、そんなに!?」
「そんなに読まないといけないの?」
「お勉強はそういうものよ」
 こう言うのでした。
「それこそ何度もね」
[8]前話 [1] 最後


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ