暁 〜小説投稿サイト〜
緋弾のアリア0/D  No.0 & DollMaster
絶望の宴編
首斬り人形
1幕 『惨殺』
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 あれは……人形か?全体的に人間を模した木製の物体。顔が無いのがちょっと怖いが、それ以外は普通の人形と大差ない。

 その『木製人形』は地面に突き刺さっていた刃を抜き、右手に持った。

「……驚いた。まさか2回も躱されるなんて、思ってもみなかった」

「……俺はおまえの行動に驚きまくりだっての。躊躇なく殺しにきやがって」

「……先に攻撃してきたのはあなたの方。私のは正当防衛」

「殺すのはさすがに過剰防衛だろ。あと、その『木製人形』といい、さっきの『くまのぬいぐるみ』といい。おまえ超能力者(ステルス)か?」

 俺の問いに、少女は首を縦に振ることで答える。

 やっぱり超能力者だったか。

 超能力者というのは、何らかのエネルギーと精神力を消費して不可思議な現象を起こす奴らのことを指す。人によって出来ることや消費するエネルギーに違いはあるが、ほぼすべての奴に共通するのは、超常現象を起こせるということだ。

 俺の元いた場所にもいた。砂を操ったり、水を操ったり、氷を操ったり、髪を操ったり、風を操ったりする奴らが。こっちに来るとき、あんな人種にはもう2度と会うことは無いと思っていたのに、まさか高校の入学初日に出くわすとは。ついてねーな、俺の人生。

 なんて、今は自分の不幸を嘆いてる場合じゃない。今のこの時間も俺は絶え間なく『木製人形』に襲われているのだ。

 超能力者(ステルス)と戦う時はまず、相手の能力を分析しなければならない――――俺の友達が教えてくれた言葉だ。俺はその言葉に倣って、少女の能力を分析する。といっても、ほとんど分析する必要はないんだが。先ほどの『くまのぬいぐるみ』やこの『木製人形』での攻撃をみるに、おそらくこの少女の能力は念力での物体操作。しかも人形やぬいぐるみでしか攻撃してこない辺り、どうやら人形限定のようだ。もし他の物も操れるなら、最初に俺が刃を躱したときにそのまま刃を操って追撃すればよかったんだから。

「おまえの能力はもうわかった」

「……早いね。普通の人はもっと時間がかかるんだけど」

「前に超能力者(ステルス)5人がかりで教えてもらったことがあるからな。ここまで露骨にヒントを出されたら余裕でわかる」

「……そう。だけど、わかったところでそれがどうしたの?いくら相手の能力を分析することが出来ても、攻略出来なきゃ意味が無い」

 まったくもってその通りだよ、ちくしょう。

 そう分析できたところで、それを生かせなければ意味は無いのだ。いくら相手の能力が物体操作(テレキネシス)だとわかっても、この『木製人形』を突破できなきゃ意味が無い。こういう物体を遠隔操作するタイプの超能力者(ステルス)を相手にするときは、能力を使っている本人を潰すのがセオリーなんだが
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