6:調査
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可憐なレディ達の保障が疑わしい訳では無いのだが……こればっかりは職人である以上、見せられない。分かってくれたまえ」
「構わないぜ。そもそも無茶な要求をしてるのはこっちなんだ。気にしないでくれ」
「ま、あんたはそう言うと思ったわ。あたしも同じ立場なら、そう言ってただろうし」
「おお、リズベット君! 君ならこの葛藤とジレンマを分かってくれると信じていたよ!」
「ちょっと! こっち寄らないでよっ、気持ち悪いわね!」
「……ふむ。私は何を言われても、大概の事なら平気だったがね。最近、君になら罵倒されるのも逆に悪くないとすら思えてきたよ」
「ド変態!」
「アッハッハッハ」
リズベットに脛を蹴られるヘンタイ職人を横目に、デイドが一歩進み出た。
「オレは別に見せても構わねぇ。これで疑いが晴れりゃ、願ったり叶ったりだ」
デイドが指を振り、出したアイテム表記が並ぶウィンドウを俺に向けてくれた。
「悪いな、失礼する。…………すごいポーションの数だな。それに素材アイテムまで……」
まず一目で出てきた言葉がこれに尽きた。何十とあるアイテムアイコンの内、半分以上が様々な色の瓶のマークや、その薬品の素材になるのであろう素材アイコンで埋め尽くされていたのだ。
俺の率直な感想に、デイドは少し得意げに口の端を上げ、胸を張った。
「当然だ。オレは槍使いであると同時に《調合士》だからな」
――《調合士》。それは、薬や毒を生成するスキルに長じた職人クラスの呼称の一つだ。
「調合にもレシピは要るが、武器レシピと違って、別に貴重でも何でもないからな。どちらかっつーと、レシピの内容よか、スキルの熟練度や調合手順、配分を間違えない腕前に価値が求められる世界なんだぜ?」
露骨なアクセントを付けて今にも鼻が伸びそうな彼に、その手の知識の無い俺はアイテムを眺めながら口笛を鳴らす。
「流石に饒舌だな」
「おうよ。これでも同業の狭い界隈じゃ、ちっとは名も通ってんだぜ? その内、薬品店の開業も考えてる」
「このラインナップなら食っていけるだろうさ。でも……まずは客の為に、その言葉遣いを直さなきゃな」
「うるせぇ、余計な世話だ」
「そんな接客態度じゃ、せっかくの客もすぐ逃げてしま――……」
その時、俺はアイコンの郡れを眺めていた視線と言葉を凍結させた。
「……あ?」
デイドが半透明のウィンドウ越しに眉を顰める。
俺の視線の先には、数多くある瓶のマークのうちの一つを指し、その薬品の説明文に注がれている。
……それは麻痺毒だった。しかも、レベルが5以上と相当グレードの高い代物が数本。
「……これらの毒も、あんたが?」
「当たり前
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