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DAO:ジ・アリス・レプリカ〜神々の饗宴〜
第二十一話
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…」

 唸りながらコクトが言う。確かにそうだろう。そうそうラッキーなことが起こっていては、話が進まない。むしろセモンのリアルラック値はかなり低い方なのだ。生まれがちょっといい家だったり、《神話剣》なんてユニークスキルを手に入れられたことや、琥珀の様な可愛い彼女がいる時点ですでにリアルラック値は使い果たした。《六王神》の監視をすり抜けるのは、多分無理、と仮定する。

 なぜならば、この世界ではそう言った見逃していいようなどうでもいいことが実際に起こりうるからだ。どんな中二妄想でも、時には力に変わる。それがこの《六門世界》、《ジ・アリス・レプリカ》。

「《六王神》の面々を確認しておこう。最初の一人が、火の六王神《オウエン》。《アークイフリート・ネオ》という名の、俺の《イフリート》をはるかに超える上位の聖巨兵型《ギア》を所有する。水の六王神だったセイレンの弟でな……闇の六門属性を持つ者に異様な執着……まぁ復讐心だな、を持っている。物理攻撃力に関してはほぼ無敵だから気を付けろ。《AEN》の手にかすめられた瞬間に四肢が吹き飛ぶぞ」
「――――!?」
「二人目が風の六王神《フェーレイ》。《ギア》は確かバッファ方向に特化した奴だったはずなんだが……遭遇したことがないから情報が少ない。三人目はべヴィティールという名前の、司書風の女なのだが……こいつは確実に戦闘に出てこないから無視していい。最も注意すべきなのは最後の一人だ」

 ラーヴェイが一度言葉をきる。その表情は真剣そのもの。それどころか、多少の恐れすらまじっているように思える。

「光の六王神、リ・エリューラ。《大天使アンダルギア=メタトロン》の名を持つ天使型《ギア》を所有する、金髪の幼女だ。実年齢は300ほどなんだが、外見が全く変わらない。精神年齢も幼いから、全く罪悪感がないままに《殲滅の光》を放つんだ。《殲滅の光》は、一撃で大都市を掻き消すことができるレーザー光線、と考えてくれればいい。チャージに時間がかかるから、その隙に何とか対策をとるんだ。かなり上位の防御魔術を使えば防御できる。……全力を振り絞ってもらう必要があるぞ、ハクガ、リーリュウ、コクト」
「……了解した」
「わかりました」
「了解」

 コクト達が頷く。恐らくその《殲滅の光》とは、ハクアがかつて言った、《大都市を殲滅した光線》のことだろう。京都府規模の都市なら一撃で存在を抹消できるという《ソレ》は、まさしく神の罰、といっても過言ではないのではないか。

「では、そろそろ《六王の神殿》前の最後の街、央都《ゼクスゲート》に着く。そこで準備を整えたら、《白亜宮》に向けて出発だ」


 ***


 べヴィティールは、自らの居城たる《土王の神殿》、その自室にこもっていた。机の上には一冊の魔導書が置かれている
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