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辻堂雄介の純愛ロード
第拾話『二人での初仕事』
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まらないトコもあるけど」

「そうだな、そのときは遠慮なくやったらいいんじゃないのか」

「ユウって暴力反対の博愛バカかと思ってたけど、ちがうんだな」

「ん?まあ、どちらかと言えば反対だが、一発殴らなきゃ十発殴られるのなら、一発の方を支持するかな……ようはバランスの問題だ」

「まっユウのそんなところが好きなんだけどな」

「ん、なんか言ったか?」

「なーんも言ってない……よっと」


 歩道が狭くなってきたので愛は堤防の上へ。俺もそれに続いて上る。


「風が気持ちいい」

「ああ。しかも今日は快晴で日差しがいい感じだ」


 海風が体を包む。夏のおとずれを感じさせる、爽やかな風だった。


「〜♪」


 心地よさそうに目を細める愛。それに合わせた綺麗な金髪がなびく。
やっぱり綺麗だな、愛は…。


「日向ぼっこでもしたいところだけど、続き行こか」

「ああ」


 歩き出す愛の後を追って俺も歩き出した









 ◇◇◇◇◇









 国道沿いから住宅街に来た。たしかこの辺ってヒロの家や孝行があったよな。


「ユウってこのあたりでも顔広いよな。さっきから呼び止められていろいろもらってるし」


 愛の言ったとおり俺の手には野菜やら果物やらが入った袋が複数ある。


「この辺に行きつけの総菜屋があるんだよ。そん時に世間話したり、荷物運ぶの手伝ったりetc,etc……してたからかな?」

「相変わらず人がよすぎだろお前」

「頼まれたら断れないんだよ」


 警察官である父さんの影響なのかもしれない。


「さて、あと少しだし、さっさと終わらせよう。晩飯の準備もしないとだし」

「おう」









 ◇◇◇◇◇







「ふー。とりあえず今日はこの一枚で終わりにしよう」

「ああ、さすがに歩き疲れたぜ。で、最後はどこ?」

「そこの、孝行って惣菜屋。さっき言った行きつけの店。んじゃ、ちょっと行ってくる」

「ああ」









 ◇◇◇◇◇









「すいませーん」

「いらしゃいませー……あら、ユウ君」


 今日の店番はいつものおばさんではなく娘さんだった。


「ども、よい子さん」


 名前は武孝田よい子さん。年は俺の一つ上。俺にとっては姉みたいなひとだ。


「久しぶりね」

「そうですね、最近よい子さんあまり店に出てなかったですもんね」

「ふふっ、クラブが忙しくてね。それで、今日はどうしたの?」

「稲学の依
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