暁 〜小説投稿サイト〜
緋弾のアリア0/D  No.0 & DollMaster
絶望の宴編
首斬り人形
序幕 プロローグ
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校』の文字。
俺はたっぷり30秒間フリーズしてから叫んだ。

「なんでだよっ!」

 叫んだあとは即座にスマホを操作し、俺をここに呼んだ張本人にメールを送った。

『意気揚々と高校生男子の俺が登校してきたら、目の前にあったのは女子高だった。な、何を言ってるかわからねーと思うが、俺にもよくわからない。ただ、幻覚とか、場所間違ったとか、そんなチャチなもんじゃ決してねえ。もっと恐ろしいものの片鱗を垣間見たぜ……』

 こんな感じのメールを。

 すると、

『とりあえず中に入ってきて職員室に来い。以上』

 という返信が速攻で返って来た。まるで、俺がメールを送るのがわかっていたかのように。というかわかってたんだろうな、ほぼ確実に。

 まあいいや。とりあえず言われた通り(書かれた通り?)職員室に行こう。

 そんなこんなで俺はナゴジョへと足を踏み入れたのだった。

 そして冒頭に戻る。



「とりあえず、職員室を探そう」

 俺はここに来るのは初めてだから、まったくと言っていいほどここの地理に弱い。

 こういう時はまず案内図を探せばいいと昔の仲間が教えてくれたのを思い出した俺は、まず案内図を探すことにした。

「えっと案内図、案内図……と」

 幸い、案内図はすぐに見つかった。これで職員室の場所も分かるし、当面の問題は解決したと思ったが、そこでまた新しい問題が浮上した。

「職員室って、校舎の中を通らなきゃ行けないじゃん……」

 そう、ナゴジョの職員室――――教務科(マスターズ)は現在、道が封鎖中のため校舎の中の通路を使わないと行けないようになっている。

「なんでこんな時に限って道が封鎖中なんだよ……!」

 校舎の中を通らねばならない、ということはつまり、ここの生徒たちに見つかる可能性が極めて高くなるということだ。流石に新入生はまだ来ていないだろうが(俺は諸々の手続きやらなんやらのために少し早めに来ている)2、3年生はもう来ている時間帯だろう。入学式の準備もあるだろうし。

 どうする。いくら俺でも何百人単位の武偵を相手に見つからない自信は無いぞ……

 そんなことを考えながら俺が案内図の前で唸っていると、

「……何やってるの?あなた」

 突如、後ろから声をかけられた。

「うおッッッ!」
 驚いた俺は慌てて後ろに振り向く。

 そこいたのは、黒というよりは夜色と呼ぶべき色の髪を腰に届くまで伸ばした少女だった。

「あなた……男?なんでここに男が……?」

 ――――マズい。もしここでこの子が『きゃー!変質者が女子高を覗きにきたー!』とか言い出すと、俺はおそらく物理的にも社会的にも死ぬ。

 それだけはなんとしても阻止せねば。


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