暁 〜小説投稿サイト〜
TAC-AN!
出発!
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を見回しますが、隣の改札機を通っていく人達は私のそんな様子を気に留めるような素振りも見せずに悠然と駅の中へと入っていきます。私の後ろにいる人達は、それとは対照的に何故か白い目で私を見つめています。
 どういうことなのでしょうか?他の人達はすんなりと通れるのに……
 あまりの出来事にその場で狼狽(うろた)えていると、何か正常ではないことを察したのでしょうか、警察官のものとよく似た格好をした人がこちらに近付いてきます。
 何かされるのではと私は身構えますが、その人はこの駅で働いている職員さんみたいで、困っている私に何故通れないのか懇切丁寧に説明してくれました。
 何でも、電車に乗るには「キップ」という入場券のようなものが必要で、それがないと今みたいに改札機が閉まってしまうみたいなのです。
 私はその職員さんに「キップ」の買い方を教えてもらって、いざ自動販売機にお金を入れようとしますが、そこで重大なことに気付いてしまいました。
(一体、どこで降りればいいのかしら…?)
 目的地までの料金は上の地図に書かれているらしいのだけれど、一体どれで降りれば桜が丘高校に行けるのか皆目見当もつきません。
 結局困った私は携帯電話を取り出して自宅に電話をかけ、執事の斎藤に桜が丘高校の最寄り駅を聞く羽目になってしまいました。
「電車って難しいわね……」
 苦労の末に「キップ」を買ってようやく駅の中に入れた私は、溜息混じりにそう呟きました。

 ――さて、桜が丘高校へはどの電車に乗ればいいのでしょうか…?
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