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オズの五人の子供達
第五幕その十二

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「わしがオズの魔法使いだよ」
「あの有名な」
「そうですね」
「今この娘とお話していたところだよ」
 恵梨香に顔を向けての言葉でした。
「わし等は一緒だね」
「はい、あちらの世界から来た」
「ドロシーさん達と一緒ですね」
「そうだね。けれど今は同じオズにいる者同士としてもね」
 あちらの世界から来た者同士としてだけではなくというのです。
「一緒だよ」
「じゃあ私達とオズマ姫もですか?」
 ナターシャは魔法使いの今の言葉を聞いて言いました。
「同じですね」
「そうだよ」
 その通りだというのです。
「皆同じ人間だからね」
「住む世界は違っても」
「同じ人間ですか」
「じゃあわしと君達の何処に違いがあるんだい?」
 魔法使いは笑って五人に尋ねました、このことを。
「一体」
「ええと、それは」
「見たところ」
「わしは歳を取っていて君達は子供だ」
 魔法使いは自分達の年齢のことを言いました。
「それだけじゃないか」
「魔法を使えるんじゃ?」
 ジョージは魔法使いを見てこのことをお話に出しました。魔法使いはオズマやグリンダと同じく魔法を使えるのです。だからそこが違うというのです。
「そのことは」
「そんなことは大したことはないよ」
「そうですか?」
「わしの魔法は手品じゃった」
 オマハにいた時はです。
「そして姫に使うことを許してもらってな」
「使える様になったんですか」
「それだけだよ。魔法が全てではない」
 こうも言うのでした。
「魔法が使えてもノーム王みたいな性格だと駄目だと思うがね」
「そうですね、確かに」
 神宝は魔法使いの言葉から長い間オズの国を攻めようとしていたノーム王のことを思い出しました、ノーム王は今は悪い心をなくしていますが本当に何度も何度もオズの国を攻めようとしてきた悪い人でした。
 そのノーム王の様な人だとです、魔法を使えても。
「駄目だね」
「ですね、力を持っている人の性格が悪いと」
 どうかとです、神宝も言います。
「本当に」
「そういうことだよ」
 魔法使いは五人に対sかな顔でお話します。
「魔法を使えても。一番大事なものは力じゃないんだよ」
「心ですね」
「それが大事ですね」
「どれだけ力があっても心がよくないと駄目なんだよ」
 魔法使いは自分自身についても言いました、噛み締める様に。
「魔法じゃないんだよ」
「わかりました、そういうことですね」
「心なんですね」
 五人も頷きます、そしてでした。
 五人はパーティーの前に魔法使いとのお話も楽しみました、そのうえでいよいよパーティーに赴きます。
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