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不老不死の暴君
第五十話 弟子と師
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ルケイディアも侵略国家だぞ?ようはダルマスカのように他国を滅ぼしてきたんだ」
「それは知ってるよ」

ヴァンはなにを当たり前のことをという風にセアを見ている。
セアは自分の馬鹿弟子の頭にため息をついた。

「じゃあもっと分かりやすく言おう。アエルゴ地方の住民がいまだにアルケイディアに逆らっているって聞いたことあるのか?」
「え?アエルゴってアルケイディアの領土じゃ?」
「ああ、アエルゴって国を昔にアルケイディアが滅ぼして自国の領土にした土地だ」

今から170年ほど前にアエルゴはアルケイディアに滅ぼされた歴史がある。
当時は今のダルマスカのような状況だった。
が、いまは元々別の国だったという歴史が残るだけである。

「ヴァン、お前はどうか知らないが多くの人間は危険より安全を選ぶ。侵略者が圧政を敷くならば武器をとるのはやぶさかではないがそうでないならば大抵は憎悪を胸に秘めつつ侵略者の支配を受け入れてしまう」
「・・・」
「お前が帝国を嫌っていたのはレックスを殺されたのもあるだろうがそれ以上に占領後の帝国の理不尽に耐えれなかったからじゃないか?」
「・・・言われてみればそうなのかも」
「そういうものだ。だが王女様はその辺がわかっていない」
「え?」
「大切なことは自治独立よりもその理不尽を止める事だ。だがヴェインによってそれは改善されたといのに王女様は歩み寄ろうとしなかった」
「でもヴェインを信じられなかったんだろ」

自分の父を謀殺してダルマスカを滅ぼしたヴェインをアーシェが信じるわけがない。
ヴァンはそう思っていたから迷わずそう言った。
するとセアはどこか悟ったような様子で言う。

「国を滅ぼされたのだから当たり前といえば当たり前だ。だからこそ現実をみることができたウォースラは国の為に王女様を裏切って帝国と交渉したんだろう」
「・・・」
「まぁあくまでこれは俺の持論だ。もし納得できないなら自分で答えを出せばいい」

暗そうな顔をしているヴァンにセアは優しくそう言った。
そしてセアは椅子から立って布団に転がり込む。

(アルケイディアの神都襲撃はそうとう反感を買ったはずだ)

セアは今回の襲撃の狙いについて考える。

(敬虔なキルティア教信者は数が少ないとはいえ、上流階級に属する者が殆ど。ヴェインがそれを理解していないとは思えん)

ベルガのあの言動からこの襲撃の命令を出したのはヴェインだとセアは当たりをつけていた。

(となると破魔石の力を使えば反論を抑えられると思っているのか?)

そこまで考え、首を振る。
少し有能な者ならばそう思うかもしれない。
しかしヴェインは【戦争の天才】と称される軍才の持ち主で、並外れた政治手腕を兼ね備えている。

(ってことは人造破魔
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