暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
OVA
〜慟哭と隔絶の狂想曲〜
レクイエム
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の針が突き出ていることを。

「――――――――――――ッッッ!!!」

何かを考えてはいなかったと思う。

だって気が付いた時にはもう、レンとそのプレイヤーの間に身体を捻じ込んでいたのだから。

何かを思ってはいなかったと思う。

だって気が付いた時にはもう、自らの身体をもってして後ろの少年の盾にしていたのだから。

何かを感じてはいなかったと思う。

だって気が付いた時にはもう、針は心の臓を食い破って反対側から飛び出していたのだから。

目の前にあるピエロの眼が、愉快そうにひん曲がったのをリータは見た。

―――ああ、そっか。こいつ、それが狙いだったのか。

狙いはレンではなく、自分。

それだけのことだった。

―――たはは、お姉さん失敗しちゃった。ごめんね、レン君………。

指の先から、感覚が抜けていく。

誰かが叫んだような気がしたが、それを正常に聞き取ることはできなかった。










ノドが熱い。

ノドがひりつく。

なぜだろう。夜の空気は、こんなにも澄んでいるのに。

何かが聞こえる。

何だこれ。

悲鳴?

違う。

絶叫だ。

「あああぁぁああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっッッッッッッ!!!!!!!!!!!」

崩れ落ちた女性の身体を、レンは抱きとめた。

「リータねーちゃん!リータねーちゃん!!リータねーちゃんッッ!!!」

「だいじょ…ぶよ、レン君。まだ死んでない……って」

聞こえてきたのは、かすかな応え。

囁いているかと思うほどの、小さな声だ。

「大丈夫!?大丈夫だよねッ!?」

「だ…から、だいじょうぶ…だって。お姉さんは……不死身なのよん」

気丈に振舞ってはいるが、相当な強度の心意攻撃を受けたようだった。リアルな痛みというものは、相当な場数を踏んだ者しか慣れることができない。つまり、普通にこの世界で生きていた者達にとって、真なる痛みというのはこのSAOにログインしたその日から味わっていないのだ。

腕が吹っ飛ばされようとも、脚をもぎ取られようとも、その痛みは全て『不快な衝撃』くらいのものにしかならない。痛覚緩和(ペインアブゾーバ)機能が、神経から発生する痛覚パルスを頚椎部で全てカットしているのだ。

そんな、痛みに慣れていないものが、激甚な痛覚の前に晒された際に起こりうる事象はたった一つだ。

ショック症状。

少年は、奥歯を砕かんばかりに噛み締めた。ギリリ、という音が血の雨の降る空間の中に響く。

次いでレンは、血走った眼で辺りを見回す。

誰ダ。僕ノ仲間ヲコンナニシタ奴ハドイツダ。

だが――――

どこ
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