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少年と女神の物語
第三十四話
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う。

「とはいえ、まずはここがドコなのか、だよな・・・」

 立ち上がって周りを見回しても、特に何かあるわけではない。
 さて、どうするか・・・

「・・・ただ、なんか変な感じはするんだよなぁ・・・」

 呼ばれている、そんな感じがする。
 ただし、俺が呼ばれているという感じではなく・・・こう、俺がもっているもの(・・・・・・・・・)が呼ばれている、そのついでに持ち主も呼ぼう、そんな感じだ。

「他に手がかりもないし・・・仕方ない、か」

 他に手がかりがない以上は、この感覚を信じるしかない。
 そして、そのまま変な感じがするほうへ向かって歩いていくと・・・そこには、建物があった。

「なんだ、これは・・・」

 そう、建物。このわけの分からん、説明することも出来そうにない世界に、何故か一軒だけ建っている。それだけでもう、近づきたくないのが本音だ。

 だが、他に手がないのもまた事実で、こんな小さな、一家族四人暮らしがどうにか暮らせるであろう、位の広さの建物に頼らねばならないのが、少し歯がゆかったりする。

 それでも・・・ここなら、解決策があるかもしれないのも、間違いないだろう。ここまで、俺の体が高ぶっているのだから。

「今の状態で、戦闘とかになったらいやだなぁ・・・ま、そこは仕方ないと割り切るか」

 ようやく決心がついて、俺は建物の中へと足を進める。
 入り口の扉を足で乱暴に開けて、そのままずかずかと進んでいく。一瞬違和感を感じたが、それくらいは違和感だろうと割り切る。
 途中で負ぶっていた子が古い印象を受ける、青銅器の小物に変わったのには驚いたけど・・・

「服に偶然引っかかったから良かったけど、落としたら拾うのどれだけ大変なのか分かってるのか・・・」

 まあ、引っかかるような形になっていた辺りに何かしらの意図を感じるけど。

「・・・・・・ところで、こんなに道って長かったか?」

 明らかに、進んだ距離と外から見たおおよその距離とが一致しない。
 そして、それでようやくここがドコなのか、心当たりが出来た。

「・・・ここが幽界か・・・始めて来たな」

 幽界、アストラル界。隠居した神様などが、暮らしているらしい世界。つっても、知り合いからの伝聞だけど。
 ただ、だからといって問題が解決したというわけではない。

「仕方ない、か・・・ロンギヌスよ、神の御技をここに壊せ!」

 多少力技ではあるが、ロンギヌスの神をも殺す技を使い、無理矢理にこの結界もどきを壊す。

 すると、そこには先ほどの外観どおりの空間が広がっていた。

「・・・オイオイ、力技過ぎやしねぇか?」
「それくらいがちょうどいいだろ、俺たち(カンピオーネ)あんたら(神様)
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