暁 〜小説投稿サイト〜
緋弾のアリアGS  Genius Scientist
イ・ウー編
武偵殺し
15弾 バスジャック
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とか。

 道理でこの学校、無駄に細長いはた迷惑な形状をしているわけだ。

 それだけでも不愉快だというのに、今日のこの生暖かい雨。不快指数100,000,000パーセントだ。

 武藤が言うとおり、1時間目はサボってしまおうか。

 これまた武藤の言うとおり、俺は進級どころか卒業できるまでの単位はもう揃っているわけだし。

 強襲科(アサルト)の黒い体育館を横切りながら、そんなことを考えていた時……携帯が鳴った。

「――――もしもし」

 レオポンのストラップを引っ張って携帯を取り出し電話に出ると――――

『ミズキ。今どこ』

 アリアだ。

 何だ。もう時刻は8時20分。授業が始まっているのに電話とは、いったいどういうことだ。

「んー、あー。強襲科(アサルト)のすぐそばだ」

『ちょうどいいわ。そこでC装備に武装して女子寮の屋上に来て。すぐに』

「なんでだよ。強襲科(アサルト)の授業は5時間目からだろ?」

 俺が文句を言うと、アリアは声を荒げた。

『授業じゃないわ、事件よ!あたしがすぐと言ったらすぐ来なさいっ!』



 俺は自分の姿を見回す。

 TNK(ツイストナノケプラー)製の防弾ベスト。強化プラスチック製の面あて(フェイスガード)付きヘルメット。武偵校の校章が入った無線のインカムに、フィンガーレスグローブ。全身のあちこちに食い込むほどしっかりと締めたベルトには、拳銃のホルスターと予備の弾倉(マガジン)が4本。

 SATやSWATにも似たこの装備は、武偵がいわゆる『出入り』の際に着こむ、攻撃的な装備だ。強襲科(アサルト)が介入するような事件は物騒なものが多く、その際、よくこの装備を指示したりしたんだが――――

 ――――事件。

 何だ。

 いったい何が起きたんだ。

 願わくば、小さな事件であってほしい。アリアがC装備で武装してこいと言った以上、ほぼありえないが。

 そんなことを祈りながら屋上に出ると、そこには――――

 俺と同じC装備に身を固めて、大粒の雨に打たれているアリアがいた。

 アリアは鬼気迫る表情で、何か無線機にがなり立てている。

「……?」

 ふと気が付くと、階段の(ひさし)の下には狙撃科(スナイプ)のレキが体育座りしていた。

 アリアの奴。転入生のくせに、いい生徒がわかってるな。

 レキは入試でSランクに格付けされ――――今もSの、狙撃科(スナイプ)の天才少女だ。

 身体は細く、身長はアリアより頭半分大きい程度。腕は確かだし外見もショートカットの美少女なのだが、いかんせんその無表情でロボットっぽい性格のため目立たない女子である。

 ちなみにこいつの名字は誰も知らない
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