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東方攻勢録
第二話
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、不老不死のせいで発達しなかった体は子供のままだ。それにさっき背後に妖怪が立っていた時、戦闘慣れしているなら背後の殺気を妹紅のように読み取ることも容易になる。彼女が心臓を一突きされてるのを考えると、戦闘なんて経験してないだろう。
 どうやってここまで生きてきたのか聞いてみると、少女は道端に生えているようなキノコや山菜、時には魚を捕まえて食い凌いできたらしい。もちろん毒キノコを食べて死んでしまうこともあれば、妖怪と出会って殺されたこともある。もちろんその後すぐさま生き返るし、妖怪の場合は生き返ると同時に逃げてしまうことばかりだったらしく、そのおかげで今まで無事に生きてきたのだ。
「……死ぬのは痛いか?」
「それは……痛いけど……」
 不老不死とは言えど痛みを感じないわけではない。人間と同じで疲労も感じるし、疲労がたまりすぎてしまえば気を失って倒れることもある。それが死につながるのであれば耐えがたい苦痛を味わうことになる。できればそんな苦痛は味わいたくないし、それは彼女もそう思っているはずだ。
 言葉をうまく伝えられない妹紅は、そんなことで理由を無理やり作るしかなかった。
「だったら……ついてこいよ」
 妹紅はへたな笑みを浮かべてそう問いかける。目の前の少女は思いがけない提案に目を丸くしたままキョトンとしていた。
「私は何度も戦闘を経験してる。さっきみたいなことにならなければお前を守るなんて簡単なことさ」
「でっ……でも……」
 戸惑ったまま何を返していいのかわからない少女。妹紅はそんな彼女の手を無理やりつかむと、そのまま引っ張りながら歩き始めた。
「ふえっ!?」
「あんた名前は?」
「えっ……柿崎ふみ江……」
「じゃあふみ江でいいな! 私は藤原妹紅……もっ……妹紅でいいよ!」
 強引に引っ張りながら妹紅は顔を合わせずに自己紹介をする。その声はどこか嬉しそうで、ところどころが震えている気がした。
「……う……うん!」
 少女は泣きながら返事を返す。そのまま浮かべた笑顔は嬉しさに満ち溢れていた。そして前を歩き続ける妹紅も、嬉しそうに笑みを浮かべながら密かに涙を流していた。


「なんか妹紅らしいな」
 妹紅の話をじっと聞いていた俊司は、悪気のない顔でそう呟く。それを聞いて妹紅は顔を真っ赤に染め上げ、反発するどころか恥ずかしそうにそっぽを向いていた。
「……悪いか」
「いやそんなことはないよ。でも妹紅がそんな経験してたなんてしらなかったからさ」
「まるで私のことを知ってたみたいな言い方だな」
 外の世界でも妹紅の設定はある程度ゲーム内でも描かれているし、それをプレイしてきた俊司もそれを知らないわけがない。ただ分かっているのはおおよその事であって、その間に何が起こっているかは本人しかしらないことだ。
 問題はさっきの
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