暁 〜小説投稿サイト〜
ゲルググSEED DESTINY
第百四話 決着
[5/5]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
って止められてしまい、議長は完全に敗北した。ミネルバに回収されるシンと議長。格納庫にシンが降り立つと同時にタリアがMS格納庫まで直接訪れてきた。

「シン、ありがとう。あの人を止めてくれて」

「いえ、俺は……」

いつものように厳しい表情ではなく、微笑みかける様なタリアの表情を見て思わずたじろぐシン。ナイチンゲールの脱出ポッドが開き、議長が堂々とした様子で出てきた。

「やあ、タリア。どうやら、私の敗北のようだ」

「ギル、貴方ならもっと他に上手くやる方法だってあったでしょうに――――それこそ、勝つだけなら貴方が態々機体に乗り込まずとも勝てたでしょう?」

確認するかのように尋ねるタリア。事実、メサイアの防衛は完璧に近かった。イレギュラーな要素こそ多々あったが、議長がメサイアで、或いはナイチンゲールに乗りながらも陣頭指揮を執っていれば今も捕まる事はなく、敗北はなかったように思える。

「私自身の可能性を信じたことと、デスティニープランなどというものに頼らずとも、人は革新によって導かれるというものを信じる気持ちもあった。それを私は君達の力に賭けたのだよ。こうなることも予定の内だ」

「なッ、負け惜しみを!」

その発言はつまり議長自身が敗北を望んでもいたという事だ。シンはそれが負け惜しみだと思って叫ぶが議長は否定する。

「断じて負け惜しみなどではない。この世に完璧な策というものがあるというのであれば、それは勝利したとしても敗北したとしても思惑が上手くいく事だ――――どちらにせよ、この先は予定にない事でもある。だからこそ、君達には伝えるべきことがあるだろう」

「俺達に?」

議長が最後の自身の策を伝える。

「人の革新を、人類の平和を真に望むというのであれば、ニュータイプというものを知っておくがいい。私が伝えられるのはそこまでだ」

勝利したならば、デスティニープランが実行され、支配による世界平和が求められたのだろう。だが、敗北したのであれば、遺伝子以外の要因となる存在、ニュータイプによる人の革新――――それが世界を救うのだと判断したのだ。勝っても、負けても、議長は平和への布石を打とうとしていたのである。

そして、議長が捕らえられたことがミネルバによって全宙域に伝えられ、メサイアは最高司令官である議長と切り札であるネオ・ジェネシスの両方を失った事から僅かな抵抗勢力を除いて、殆どの部隊が投降した。

――――C.E.74年、人類の行く末を争ったこの戦いは旗頭を失ったメサイア側の降伏によって決着がついたのだった。

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ