暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
エピローグ〜After Day〜
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ルの事を思い出すことは無かった。
だけど僅かにシャルと過ごした記憶が残っていることに、今度は嬉し泣きした。彼は言った。これも界律が残したちょっとした奇跡かもな、って。普通なら僅かでも残ることは無いらしい。けど、アリサ達の記憶には僅かだけど、でも確かにシャルがいた。

「フェイト、そんな嬉しそうな顔で誰に逢いに行くのかしら?」

「あ、母さん――じゃなかった。リンディ統括官」

横のドアが開いて、そこから出てきたのは私の母さんだった。て言うか、またそんな顔してたの私・・・?

「うふふ。そんな嬉しそうな顔ということは、これから彼に逢いに行くのね♪」

若いっていいわねぇ、って言いながら母さんが微笑んだ。ぅく、否定できないから何も言えない。

「あ、そうそう。ねぇ、フェイト? いつになったら彼と結婚するの?」

「なっ! な、ななな何を! け、けけけ結婚!? そ、そんな! えっと、その・・・ま、まだ早いって言うか・・・!って、その前にこんな人のいる場所でそんな話をしないでください!」

いきなり何を言い出すの。私たちの居る廊下には局員が何人も居るのにっ。その視線が私と母さんに集中する。一気に顔が熱くなる。今の私の顔はとんでもなく赤くなっているに違いない。ついでに頭から湯気も出てる可能性がある。

「早いって・・・。あなたと彼がお付き合いしているのは周知なのだし。それにあなた達は強い想いで結ばれているのだから、そういう事もそろそろ考えていかないと――」

「あーもう、判りましたから、そういう話は家でお願いします!」

半ば逃げるようにして母さんを置いてその場を後にする。あれ以上は耐えられない。恥ずかしさの所為で気を失いそうだった。振り返ってみれば母さんは声を出して笑ってた。むぅ〜・・・! 少し走って、少し乱れた息を整える。

「結婚、か・・・」

別にそれが嫌なわけじゃない。というより、私が昔から望んだ事。彼と一緒に生きる。でも、何て言うか、その・・・ね。うん、早いんだ。そういうことだ。

「結婚がどうしたのかな?」

「ひゃう!?」

いきなり耳元で囁かれて心臓が跳ねる。振り返ってみると、そこに居たのは、「もう、ビックリしたよ、なのは」私の親友の1人、なのはだった。六課解散後は、昇進の提案があったのに辞退して、今でも戦技教導官として教導隊に残った。
なのはらしいと言うかなんと言うか。そんななのはの右手の中指。そこにシャルのデバイス、“トロイメライ”の指環が輝いている。シャルが還ってからずっと大切にしている物だ。なのはがその“指環(トロイメライ)”を外すことはあまりない。それほどまでに大切な宝物。

「フェイトママ」

「あ、ヴィヴィオも一緒だったんだ♪」

「うん♪」

なのは
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