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ハイスクールD×D×HERO’s
1話
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??? SIDE


 突然ながらオレは転生者と言う部類に属している。……と思う。まあ、思うって言ったのは、本来この世界に存在して居ない前世の記憶らしきモノの中に存在する正義の味方
ヒーロー
達の力を持っているからだ。
 “らしきモノ”と言ったのには、前世の記憶と言うのには不確かな……力に対する知識程度しかないからだ。両親を事故で失った際に力と共に手に入れたものだが。

 さて、本来《力》と言うのは善でも悪でもない。使う者の心がけ次第でダークライダーと呼ばれた者達の力でさえ善の力となる。ダミースパークでウルトラマンのスパークドールズをライブした時黒い悪の巨人と化して仕舞った様に、だ。

 まあ、具体的に言うと……

「何でこんな物を持ってしまったかなぁ」

 深々と溜息を吐きながら余計な力を持ってしまった己の不幸を悩む。余計な力など持ってしまう事は幸せでは無く、不幸だ。
 また、力を振るう理由を得る事も不幸だと思う。……大き過ぎた力を持ってしまった事に幸運があるとすれば、それは不幸の中の幸福。理不尽な暴力で奪われる命を手の届く範囲で救える、その程度だからだ。

 オレは転校先の学校である駒王学園を眺めながら、何度思ったかは分からない悩みを思う。まあ、訓練こそしているが力を使う度にむけるべき相手の居ないこの世界と言う範囲では大き過ぎる暴力と思う。

 ……等と『そんな事を思っていた時期が有りました』。とでも言いたくなる未来が待っている等、その時のオレには想像も出来なかった。不幸にも力を向けるべき相手を得てしまった己の不幸を思いながら、改めて確信する。

 誰よりもヒーローの存在が必要なくなる事を望んでいるのは他でもない、ヒーロー達自信だと言う事を。


SIDE OUT








「ったく、転校初日からオレも何やってるんだか?」

 放課後、丁度六時を過ぎようと言う時間帯に改めて学園に来る羽目になった己の失敗を思うのは、彼『天城 総麻』。
 どこぞの冬の町を舞台にした名作恋愛ゲームの様に、ノートを取りに行って無口な黒髪の女生徒が魔物退治をやっている所に遭遇する訳も無く、何事も無くノートの回収は成功した。

 態々取りに行かなくても『仮面ライダーウィザード』の力の一端でも使えば簡単に回収できるのだが、流石にそんな事に力を使うのは本当の持ち主に対してこの上なく失礼な真似だと思って使わなかった。


《コネクト、プリーズ》


 まあ、取りに行った帰り道にはしっかりと使っているが。何処かに置き忘れないようにと自分に言い訳をしつつ校舎を出ると、彼の視界の隅に旧校舎の建物が映る。その建物から感じられる違和感……自分の持っている力の事も有り念の為に調べておこうと考える。


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