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寂しきロックンローラー
第九章

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 それでだ、ドワンゴの方から言った。
「それでだけれどな」
「ああ、仕事だよな」
「レコーディングの仕事だよ」
 まずはそれだというのだ。
「今からだけれどいいよな」
「ああ、いいぜ」
 これまでとは違った確かな笑みでだ、ラビルはドワンゴに答えた。
「行くか」
「それとコンサートもあるからな」
「ツアーどうなるんだ?」
「ツアーの話もあるよ」
 それもだというのだ。
「これから動くからな、ソーサーさんと一緒に話していこうな」
「ああ、わかったぜ」
「それとな」
「それと?」
「今日レコーディングの後にな」
 その後、アフターの話もするのだった。
「いいか?あの店に行くぜ」
「いつものバーか」
「ああ、行くよな」
「当たり前だろ、復帰したらまずあそこに行くって決めてたからな」
 今度は楽しそうな笑みで応えたラビルだった、その顔は非常に明るい。
「当然のことだろ」
「そうだよな」
「それじゃあいいな」
「あのバ−だな」
「それとな」
 まだ言うドワンゴだった、楽しそうな顔で。
「ステーキだよ、ステーキ」
「あの店か」
「ティーボーンでいこうな」
「いいな、あとハンバーガーも食ってな」
「ピザもな」
「ファーストフードに。ケーキもいいな」
「どんどん食っていくからな」
 ドワンゴはどんどん言っていく。
「女の子の行く店にもな」
「おいおい、怪我明けの人間を引き回してくれるな」
「嫌か?」
「俺は食うのと酒と女が趣味なんだよ」
 これがそのままラビルの返答だった。
「だからな」
「そういうことだな」
「ああ、じゃあな」
 それでだというのだ。
「行くか」
「これから忙しいからな」
 昼も夜もだというのだ。
「覚悟しておけよ」
「わかってるさ、それじゃあな」
 こうした話をする二人だった、そして。
 その二人を見てだ、ソーサーは言うのだった。
「鳥が完全に復活したわね」
 微笑んでの言葉だった、やはり二人は二人で一つなのだと彼等を見てわかったのだ。そして彼女も二人に言うのだった。
「早速本格的にはじめるからね」
「ああ、わかってるさ」
「派手に暴れるぜ」
 二人はソーサーに同時に言った、その二人で。


寂しきロックンローラー   完


                      2013・9・24
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