暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 〜無刀の冒険者〜
番外中編
蒼空のキセキ4
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りを叩き込む。

 レミのブーメラン。
 ファーの槍。

 二つが続けて炸裂して、相手のHPがガクンガクンと削れていく。

 残りは、あとわずか。

 「いけるっ!!!」

 反射的に叫んで走りだし、右手でストレージを操る。シドが褒めてくれたタイピングの速さで紡ぎだされた装備変更が、私の左手の武器を投擲槍から片手剣へと瞬時に変更する。突進の勢いのままの跳躍で、バランスを崩して空中で立ち往生する巨鷲の背へと飛び乗って。

 「もらったあっ!!!」

 深々とその首筋に剣を突き立てる。

 ゼロになるボスのHP。
 湧き上がるみんなの喝采。
 私のガッツポーズ。

 そして、満面の笑みでポリゴン片へと変わる前のその背を蹴って、雲へと跳び―――

 「……え……?」

 移れなかった。





 それはまるで、わたしという機械人形の電源を切ったみたいだった。

 唐突に私の足から力が抜けて、跳ぼうと曲げた膝ががくりと崩れ落ちる。
 世界がぐわんと回って、意識が遠のいていく。

 手足が、……ううん、私そのものが、世界から切り離されていく感覚。

 ―――下。雲の、穴。

 ぼんやりとかすんでいく頭に、ちらとよぎる。
 真下は確か、さっきあけられたばかりの足場の穴だった。

 ―――落ちちゃう……。

 ふわりと体が浮かぶ。
 そして、この世界の法則……重力に引っ張られて、下降をはじめて。

 意識が、ぶわんと消えていく。

 …………らぁぁぁああああ!!!

 その直前、誰かの声と腕が、私を包んでくれたような気がした。
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