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アセイミナイフ -びっくり!転生したら私の奥義は乗用車!?-
第11話「私、話し合ってみる」
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う言葉とされるマナに働きかけるその言葉がマナを集めていく。

「何する気?」

イダの言葉にリックが「黙ってみてろ」と答え、生まれた仄かな光を見つめていた。

『万能なる魔素よ。我、ここに契約する。我、この少女の技について、

彼女を決して裏切らぬ。我がこの約定守れぬ時、代価として我が心を差しださん』

そして、仄かな光が消え、そこには変わらず少女が立っていた。

「…契約の魔法です。魔素魔導師なら誰でも使えます。

本来はもっと強い魔力を持って、他人に約束を強要する魔法なんです。

私程度の場合は、多分鼠にすら効かないでしょう」

そう言って、杖をカラン、とベッドの上に放った。

「でも、自分相手に使う場合は成功率10割です。約束を守らなければ、

それに応じた代価が支払われる…今度の場合は、その力についての秘密…

それについて私がイダさんを裏切った場合、私の心が壊れます」

…本当になんでもないようにそう言って、フェーブルは微笑んだ。

「ちょっと待て!?どうしてそうなんの!?重すぎて吹くんですけど!?!?」

当然のようにイダは混乱してフェーブルの肩を掴んで、ギャアギャアと食って掛かる。

部屋の明かりが静かに揺れている。

それに反比例するかのようにイダはヒートアップしていった。

「…事情があるんですよ。ええ。どうしても必要な事情があるんです。

あなた達に会えて、本当に良かった」

フェーブルはそう言って寂しげに微笑む。

その微笑みはストランディンに向けられていた。

ストランディンもまた、申し訳なさげにフェーブルに背中から抱きついた。

「…イダ。お願い。説明するから…ね」

ストランディンが少し悲しげに言って、目を伏せる。

そのただならぬ様子に、イダも意気が挫かれ…そして。

「―――わかった。そういえば盗賊に襲われたり、

セリとドクゼリを違えて教えられたり、色々そっちもやばいと思うんだけど

…説明して、もらえるよね?」

そう続けて、二人の少女は頷いた。

イダも、グウェンも、リックも…心の中で「本当に面倒事に巻き込まれてしまった」と

二人の少女の様子にただならぬものを感じながらも、そんなことを思っていた。

…やがて始まるであろう何かのために、イダは心の中で、この世界にはいないであろう

存在に「神様、仏様、どうか大したことになりませんように」と祈りを捧げたのだった。



続く
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