暁 〜小説投稿サイト〜
『曹徳の奮闘記』改訂版
第十四話
[1/3]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話




「長門。美羽様が呼んでおるぞ」

「本当か?」

 鍛練所でクロエと焔耶の三人で鍛練をしていると、零が俺に言ってきた。

「ならちょっと玉座まで行ってくるわ」

「分かった」

 クロエと焔耶にそう言って俺は玉座に向か う。

「どうしましたか美羽様?」

「……別に美羽でも構わんのじゃ」

「公私混同は駄目ですから美羽様」

「むぅ………」

 美羽、拗ねるな。

「それで何か御用ですか?」

「あぁ。黄巾軍がまた妾の領内で暴れておるみたいじゃから長門を司令官にした部隊で鎮圧してきてほしいのじゃ。場所は南西十二里の村じゃ」

「それは構いませんが、黄巾軍の数は?」

「凡そ一万二千です」

 傍らにいた七乃が言う。

「……前回とは数が違うな」

「はい。今回は荊州にいる一部の黄巾軍も合流したみたいです」

 数が増えるのはめんどくさいな。

「分かった。頑張ってみます」

「頼むのじゃ」

 俺は美羽に頭を下げて玉座を出た。

「んで、出動出来るのが第三師団と第六師団 か」

「後は他のところに行ってるの」

 沙和が報告する。

 今回、出撃する武将は俺、趙雲、クロエ、ロッタ、沙和の五人だ。

 ロッタは前回の事もあって出撃は見送ろうとしたけど、ロッタが「お願いよ長門」と直訴をしたのでそのまま出撃させる事にした。

「んじゃぁ急いで出撃。早くしないと死人が沢山出るからな」

「分かったなの。そこ、サッサと歩けッ!! ちんたらしていると貴様らに付いている〇〇〇を切り落とすぞッ!!」

『サーイエッサーッ!!』

 ……元気だなぁ。





「隊長。斥候からの報告だと黄巾軍は山あいに潜んでいるようなの」

 沙和が報告してくる。

「山あいか……」

「王双殿、何を恐れている。黄巾軍は所詮は烏合の衆。雑魚に兵法は無用、一斉に突撃をしたら充分に勝ち目はありますぞ」

 趙雲が強引の突撃を具申してくる。

「趙雲。いくら烏合の衆でも罠くらいはしてあるって」

「ですが……」

「とりあえずは斥候を多く放って、地形を調 査。奇襲をしやすい場所を選んでそこで黄巾軍を叩く」

 俺の決定案に趙雲は悔しそうに俺を見てい た。





「ロッタ。アレはちゃんと持ってきたか?」

「えぇ持ってきたわよ。でもアレなんか何をするの?」

「……ちょっと残虐な行為だな」

「え?」

「隊長大変なのッ!!」

 そこへ、沙和が走ってきた。

「どうかしたのか沙和?」

「ちょ、趙雲ちゃんが黄巾軍に単騎突撃した のッ!!」

 ……やっぱりな、まさかとは思
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ