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Eden -? qui chose est paradis? -
2.【D?but】?side;E

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「……夕方までには帰ってきてください。いいですね?」
「う、うん!」

 雨の音が響く中、チェルソが持ってきた洋服と外套を身に纏った姿のエリスは浮足立っていた。

「裏口から出て右手に業務用の入り口があります。そこを出ると大きな道がありますから、そこに行けばこの国で一番栄えている街、アイゼンに着きます」

 丁寧に教えてくれる彼に疑念を抱き首を傾げた。

「どうされました?姫様」
「チェルソってこんなに優しかったかなーって」
「……可哀相な貴女に同情しているだけですよ。それに貴女がどうなろうとも俺には関係ないですし。俺の分まで花をご覧になってきてください」

 ――今まで脱走する機会がなかったわけではない。……ただ、見てみたいものがあったのだ。『十年百合』という花だ。
 その花は名前の通りに十年に一度しか咲くことが無いらしく、また美しい。エリスがその存在を知ったのが丁度十年ほど前で当時五歳だったエリスはその花見たさに城を出たところ、誘拐されたというわけである。

 そしてどうやら件の『十年百合』がそろそろ咲きそうだという情報を学者から教えてもらったのだ。そろそろ行け、という事なのだろう。彼は意地悪い笑みを浮かべると部屋のドアを開けた。

「それじゃあ行ってきます!」

 エリスはフードを深く被ると外の世界へと歩き出した。
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