暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
03 「叔母と、相棒?」
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る可能性もあるが。

「……レーネ、遊んでるように思うのは私の勘違いでしょうか?」
「いや、勘違いではないね」
「そうですか……やめないと怒りますよ」
「ふむ……君が怒った姿は見たことがないね。怒りの感情は表情に出るのか検証してみようか」
「……ショウ、レーネをどうにかしてください」

 あまりにもさらりと言われたため、自分に言っているのだと理解するのに少し時間がかかった。名前で呼ばれるのに慣れていないことも理由ではあるが。
 どうやって助けようか考えていると、遠くで叔母を呼んでいる声が聞こえた。ちょうどいいタイミングだと思いつつ、叔母に話しかける。

「レーネさん、呼ばれてるよ」
「ん、そうか……名残惜しいが呼ばれてる以上は行かないわけにもいかない」

 レーネさんは立ち上がると自分を呼ぶ声がする方へ、ふらつきながら歩いて行った。もう少し休憩するなり、睡眠時間を増やしたほうがいいはず。だがあんな状態でも叔母の仕事量は変わらない。いったい彼女の頭はどうなっているのだろうか。普通ならば思考力は低下するはずなのに。

「……あなたも大変ですね」
「……まあ慣れればそうでもないよ」
「そうですか……話は変わるのですが、あなたはまだ私の名前を呼んでいませんよ」
「……君から振ってくるとは思わなかったよ」
「油断大敵です」
「……呼ばないとダメか?」
「私は呼びましたよ?」

 粘らずにさらっと言ってしまえばよかったと後悔する。粘ったせいで変に意識してしまい、普段よりも格段に恥ずかしさを感じてしまっているからだ。

「……シュテル」
「……ふ」
「君が言わせたんだろ」
「すみません、そうではないんです。レーネが言っていたとおり、私達は似ているのかもしれないと思ったらつい……。正直に言えば、こう見えて私も恥ずかしかったんです」

 続けて「同年代の異性とあまり接したことがないので」という彼女の顔は、ほんの少しだが笑っているように見えた。

「……まだ時間はありますし、お互い徐々に慣れていきましょう」
「そうだな……君は表情も努力しないと」
「あなたに言われたくありません」



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