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魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
02 「友達」
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いきなり実戦しろというのも無理な話か。ただ、だからといってそのままでいいというわけにもいかないだろう。

「でも、変える努力は必要だろ。本心を言わないといけないときってのは、この先必ずあるだろうから。俺からでもいいから練習しないと」
「それはそうやけど……ショウくん相手に練習する意味ってないやろ。わたしが隠したって、ショウくんは察してまうんやから」
「きちんと分かるわけじゃないさ……」

 俺が分かるのは、はやてと似たような痛みを感じたことがあるから。だけどこの先、俺や彼女は様々な出会いや経験をして変わっていく。
 今は親しい仲だけど、全く話さないようになることだってあるかもしれない。母さんと同じ道を歩むことを選んだのならこの世界にいることを選ぶだろうけど、父さんがやろうとしていたことを継いだならば、あちらの世界を拠点にしたほうがいいのだから。

「完璧に分かったら逆に怖いし、あんまり察しが良すぎるのはモテへんらしいよ」
「……話の方向性が変わってないか? というか、泣き止んだのなら離れてくれ。さすがに腕がきつくなってきた」
「別に泣いてないし、わたしはそんなに重くないやろ」

 少し膨れながら言うはやての目には赤みがあった。でも泣いていないと言っているのだから追求するような真似はしない。今日は彼女に喜んでもらうために来たのだから、機嫌を損ねるようなことをするつもりはない。

「だったらお前にもやってやろうか」
「そんなんされたら、わたし潰れてまうやん」
「お前と俺の体格は同じくらいなんだから、お前が重くないってなら俺も重くないはずだろ。それにさっき女の方が早熟だって言ってたよな? なら力もお前の方があるんじゃないか?」
「なあ、わたしをいじめて楽しい?」
「いや、いじめてるのはお前のほうだから」

 俺が言い終わるとはやての中で何かしらが満足したのか、彼女はあっさりと離れた。彼女のこういう部分は、関西方面で育った影響が出ているのだろうか……いや、深くは考えないでおこう。
 はやてはくるりと一度振り返り、綺麗にたたんでいた洋服を手に取った。それを開きながら、再度こちらを見る。

「なあなあ、話は変わるんやけどこれ似合うかな?」
「さあ?」
「あんな、即答はまだええとしてさあ? ってのはおかしいやろ。これ、ショウくんが持ってきたプレゼントやで。わたしに似合うと思って選んでくれたんやないの?」
「……似合うというよりはお前が好きそうだな、くらいしか思ってないな」
「何やろ……自分のこと考えてくれてるけどくれてない感じがして、あんま喜べん」
「そんなことより、ケーキ食べないなら冷蔵庫に入れておきたいんだが?」

 そんなことという言い方が気に入らなかったのか、はやてはほんの少し頬を膨らませながら「食べる
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