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ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜
閑話ー聖槍と聖剣の英雄ー
68.紅い聖夜
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一人。

「……だったらなんだってんだよ。それは俺の勝手だろ」

「あなたには、死んでほしくない」

徐々に近づいてくるそいつは、そんなことを言った。

「それは、戦力って意味だろ。どうせ、あのリーダーに頼まれて止めに来たんだろ」

そいつは、俺の言葉に間も開けずに応えた。

「違うよ!」

そいつの叫ぶ。

「わたしは、自分の意思でシュウを止めに来たんだよ」

「勝手にしろよな……」

そう言って俺は再び、足を動かす。
すると後ろからそいつが抱きついてくる。

「待ってよ……シュウにはまだ死んでほしくないんだよ」

そいつの抱きつきを振り払おうとするがそいつは、離そうとしない。
その時、俺の中に何かの感情が湧き上がる。
それは、なぜか俺の足を止めようとする。
なぜだろう?

こいつは、俺を止めようとするのは、ギルドに入ってほしいからだけだ。それだけだ。

(なのに……なのに……)

俺はその場に崩れ落ちる。

「どうして……どうしてお前は……」

崩れる俺をそっと抱きしめるその力は少し痛く、強い。
頬を伝いとめどなく涙がこぼれ落ちていく。涙は、地上へとこぼれ落ち、光へと変わっていくだった。
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