暁 〜小説投稿サイト〜
遊戯王GX−音速の機械戦士−
―悪魔の囁き―
[22/22]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
の姿をした悪魔に詰め寄ろうとしたものの、マルタンが遊矢を踏みつける力を増していくのを見て、その動きを止める。

「それにしても危なかったじゃないか、十代……ボクが助けないと、キミが負けちゃうところだったよ?」

 遊矢の壊れたデュエルディスクから《ティンクル・ウォール》のカードを拾い上げ、ニヤニヤと笑いながら十代に見せつける。……そして踏みつけられた遊矢が、マルタンの姿をした悪魔の言葉に反応する。

「……助けた、だと……」

「ああそうさ。十代、ボクに感謝してよ?」

 意識がはっきりとしている平常時ならば、そんなマルタンの姿をした悪魔のセリフなど、遊矢には一笑に付すことが出来ただろう。だが意識がはっきりとしない今……遊矢は倒れながらも十代を見た。

「違う! お前誰なんだよ、何でこんなことをするんだ!」

「……本当にボクのことを忘れちゃってるんだね……ボクがやっていることはね、十代。全てキミのためにやっていることなんだよ」

 今の十代には、マルタンの姿をした悪魔が何が言いたいのか、何も理解することは出来はしない。しかしその言葉は、遊矢の猜疑心を高めさせるのは充分すぎるほどだった。

「……ふざけんなよ! 遊矢を、みんなをこんなにした何が俺の為だ!」

「また後で話してあげるよ、十代。……それよりまず、敗者に罰ゲームをする方が先かな」

 マルタンの悪魔の右腕がデュエルディスクに変化していき、一枚の魔法カードをポケットから取り出して発動した。その魔法カードとは《暗黒界に続く結界通路》。

 遊矢の背後に他の異世界へと繋がっている穴が出現し、遊矢を吸い込まんとその穴から悪魔が遊矢の足に手を伸ばす。マルタンの姿をした悪魔が足で踏んでいるおかげで、何とか遊矢はこの世界にいることが出来た。

「もう一人の……明日香、だっけ? もう既にどっかに送ってあるからさ。再会出来ると良いね」

 マルタンの姿をした悪魔が足を放すと、遊矢は何も抵抗することは出来ず、暗黒界に続く結界通路に引きずり込まれていく。

 ――最期にこぼれ落ちた【機械戦士】たちと十代を見て、明日香のことを思いながら。そして結界通路の中で、十代の叫び声だけが耳に聞こえていた。

「遊矢ぁぁぁぁぁっ!」



[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ