暁 〜小説投稿サイト〜
不老不死の暴君
ある人物の日誌
[2/2]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
までも無い。ロザリア帝国のバレンディア進出が確定するのだ。
アルケイディア帝国の安全を考える上でなんとしても親ロザリア派が勝利することは避けなくてはならないのだ。
たとえナブラディア王国という国家そのものを滅ぼしてでも。
帝国の宣戦布告を受けたナブラディア王国はダルマスカ王国に援軍を要請。
ダルマスカは要請を受け、アルケイディア帝国に宣戦布告した。
しかし帝国軍は僅か数日でナブラディアの王都ナブディスを包囲した。
帝国軍の王都攻略作戦開始直後にナブディスは原因不明の爆発で消滅した。
こうしてナブラディア領は帝国の支配下に入り、帝国軍は宣戦布告してきたダルマスカ王国へと進軍した。
そしてダルマスカ王国国境付近にある城塞都市ナルビナが陥落。
ナルビナ戦でダルマスカ王国軍は多くの兵を失いっており、ダルマスカは時代の波に飲まれようとしていた。
忠勇なるダルマスカ騎士団は抵抗を続けるも、帝国の圧倒的に優位な戦況を覆す事はできなかった。
帝国軍はダルマスカ王国の王都ラバナスタを目前にして進軍を停止。
ダルマスカ王国に和平案を提示。事実上の降伏勧告を行った。
帝国が和平案を提示したのは理由がある。
ダルマスカ王国は間にヤクト・エンサがあるがロザリア帝国の隣国である。
あまりロザリアを刺激したくないため、ダルマスカは帝国の影響下に置ければよかったのだ。
ダルマスカ王国国王ラミナスは和平案を受諾し、占領下のナルビナへと赴いた。
しかし、和平に異を唱えるローゼンバーグ将軍はナルビナにてラミナス国王を含む交渉団を暗殺。
この一件を受け、帝国はダルマスカに和平の意志なしと判断。進軍を再開した。
ラミナス国王暗殺の報を聞いたビュエルバのオンドール侯爵は中立の立場からダルマスカに降伏を促した。

「徹底抗戦を唱え、
 ラミナス陛下を暗殺したバッシュ・フォン・ローゼンバーグ将軍は、大逆犯として処刑された。
 いまだ戦いを望む者は将軍と同類である。ダルマスカを滅亡へと導く、恥ずべき反逆者である。
 真の愛国者よ。剣を捨て祈りを捧げよ。平和を望んだ慈悲深きラミナス陛下の魂に。
 そしてまた・・・

 祖国の敗北を嘆いて自ら命を絶った、アーシェ殿下の誇り高き魂に。」

王家を失い、帝国に対抗する力も無いダルマスカは降伏し、ダルマスカは帝国の版図となった。


・・・と大体これがダラン爺から聞いたダルマスカ王国の歴史だ。
いや、王国は滅んだのだからダルマスカ地方の歴史と言ったほうがよいかも知れない。
この一年で馬鹿弟子の腕もたいしたものになってきた。
そろそろ旅に出ようかと思うが折角住居まで用意してくれたのだ。
あと二、三年はここで暮らそうかと考えている。

[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ