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不老不死の暴君
プロローグ
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でも十分戦えるとおもったんだけどな」
「魔物相手に戦えるようになりたのか?」
「ああ」
「そうか」
「あのさ・・・」
「ん?」
「よかったら戦い方教えてくれないか?」
「う〜ん」

そういえば暇つぶしに色々な事を学びはしたが誰かに何かを教えるということはあまりしなかったなとセアは思った。
理由は教えた後にとんでもない事を起こさないかという心配からであるが・・・。
ヴァンは身なりからして平民であるがもし貴族とかだと厄介だし・・・。

「えっと、君は何処に住んでいるんだ?」
「ラバナスタだけど」
「何か仕事してる?」
「・・・ミゲロさんの店の手伝い」
「ミゲロさんって誰?」
「商人」
「もうけは?」
「まぁまぁ」

・・・なんかなぁ。
いきなり身分は?とか聞くのは嫌だしなぁ。
でも聞かないと戦い方教えて面倒事に巻き込まれるのは嫌だし。
ああ、そういえばラバナスタって聞いたことがあるな。
確か砂漠の国ダルマスカ王国の王都で三大陸の境目のオアシスにある街だっけ。
記憶が正しければ一年位前にダルマスカ王国はアルケイディア帝国に侵略された筈だから・・・。

「君はラバナスタの何処に住んでる?」
「・・・昔は市街地に住んでたけど帝国に負けてからはダウンタウンに住んでる」

ということは・・・ヴァンはアルケイディア帝国の制度でいくと外民か。
アルケイディア帝国では外民・新民・政民に大きく三つに身分が分かれている。
その内市街地で住めるのは新民・政民だ。
帝国南東の港町バーフォンハイムみたいに自治権をもっていない限り外民は都市部に住めないのだ。
そしてラバナスタが自治権を持っているという話は聞いたことがない。
ということは別に戦い方を教えても問題は無いとは思うが一応聞いておくか。

「君は帝国が嫌いか?」
「ああ大嫌いだ!」

なら問題あるまい。
外民でも帝国軍に入るもしくは帝国に税金を納める等したら新民になれるが帝国嫌いならそんなことはしないだろう。

「そうだな、じゃあ戦い方を教えてもいいぞ」
「ホントか?」
「ああ」

その後ミゲロさんとヴァンとセアで話し合い、セアはダウンタウンで住むようになり、ヴァンを馬鹿弟子と呼び、半年程鍛え、他の孤児達とも仲良くなり、1年後には馬鹿弟子のせいで国家規模の面倒事に巻き込まれるのである。

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