暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
第10話 「別れの時」
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目的地は一緒なんだし、一緒に行こう」
「……うん」

 テスタロッサと協力して進んでいると、巨大な螺旋階段の上層部に辿り着いた。下の方では、光や爆発が確認できる。クロノは先に進んでいる可能性が高いので、高町達が鎧と戦闘しているのだろう。
 下に向かうと、魔力弾で応戦する高町と魔力を纏わせた拳で鎧を破壊するアルフ、バインドで鎧達を拘束しているユーノの姿が確認できた。数体の鎧を一度に拘束するのは厳しいようで、ユーノは歯を食いしばっている。

「……一度に破壊できるか?」
「大丈夫だと思う。少し時間がかかるけど」
「なら、その時間は稼ぐ」

 そう彼女に言って速度を上げる。高町との距離が縮まってきた頃、黄金の鎧がユーノの拘束から抜け出した。

「なのは!」

 ユーノの声に高町は振り返ったが、鎧はすでに武器を投擲していた。防御魔法を展開しようにも間に合わないだろう。
 ――準備しておいて正解だったな。
 右手に握っている剣から溢れて出ていた漆黒の魔力が、紅炎に姿を変える。肩に引きつけるように折りたたんでいた右腕を撃ち出すと、ズガァァン! と凄まじい衝撃音を撒き散らして、鎧の武器に根元まで突き刺さった。
 炎熱の魔力変換を用いた《ブレイズストライク》。この攻撃で大きく吹き飛んだ巨大な武器は、内部を一瞬のうちに焼かれたことで爆散した。
 これから受けるであろう衝撃に目を閉じていた高町は、不意に聞こえた爆発音が気になったのか周囲を見渡した。先ほどまでいなかった俺の姿を確認すると、驚きの顔を浮かべる。

「や……!?」

 おそらく俺の名前を呼んだのだろうが、雷が降り注ぎ始めたことで掻き消された。
 高町は雷を放っている人物がテスタロッサだと理解したようで視線を上に向けた。上空からはテスタロッサの凛とした声が聞こえてくる。

「サンダー……レイジ!」

 無数に降り注ぐ雷によって、鎧達は次々と爆散していった。
 鎧の破壊が終わったテスタロッサは、高町の元へと舞い降りてくる。ユーノやアルフは、驚きの表情でテスタロッサを見ているようだ。

「…………」
「…………」

 高町とテスタロッサは、静かに見詰め合っている。どちらも言いたいことはあるのだろうが、何から言っていいものか迷っているのだろう。
 場の空気が和み始めるが、今起こっている事態がそれを許すはずもない。突如、螺旋階段の一部が崩壊し、そこからこれまでよりも大型の鎧が出現した。

「大型だ。防御が固い」
「うん」

 ふたりの意識がお互いから大型鎧へと移った。大型鎧に装着されている2本の槍には、徐々に魔力が集まっていく。どうやら砲撃するようだ。

「でもふたりでなら!」
「ぇ……うん、うん、うん!」
〔ふふ、マスター頭数に入ってないね
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