覚醒
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店内は真っ赤な血の海に変わり、足元には死体で埋め尽くされていた。
神様「吹雪…もう出よう」
リュークは吹雪の身を案じて店を出る事を勧める。
『……いや…』
神様「?」
『もう少し…“此処”に居たい…』
神様「!!」
吹雪の意外な答えに、リュークも驚くばかり。
『それに…今、そう悪い気分じゃない。…寧ろ……
その逆だよ』
吹雪は、酔い痺れる様に、うっとりしていた。
『ゾクゾクするよ。血の臭いで、感覚が麻痺してる。
けど、それが心地好く感じるんだ』
神様「……」
そんな彼女を、リュークは冷静に受け止める。
『他人(ヒト)の不幸を見下ろすのが、改めて快楽に変わったよ』
少しずつ正気を取り戻す吹雪は、リュークを見る。
『リューク。今、ウチを止めたいなら、“現実”に帰す事だね(妖笑)』
神様「!?」
吹雪から出た言葉に、驚異するリューク。
『この状況が…。人間としての感覚を失ったウチが恐いなら…』
狂った様に不気味な笑みを浮かべる吹雪。
神様「…ハハハッ…ハハハッ…」
すると、乾いた様な笑い声が漏れ始める。
神様「安心して…俺も……
同じ感覚だから」
リュークの答えに、思わず笑みが溢れる吹雪。
神様「俺…。“アッチ”じゃ、食み出し者だったんだ…」
その発言に、吹雪は同情の感情が芽生えた。
神様「けど…やっと“理解者”と出逢えた」
そして、吹雪はスッと、手を差し伸べる。
『食み出し者同士、楽しく生きよう(妖笑)』
差し伸べられた手は
凍える様に冷たく
女は妖しく
笑っていた
to be continued
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