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Fate/InterlaceStory −剣製の魔術師−
第四話 ー 最低限の覚悟 ー
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な存在であればあるほど非日常に巻き込まれる。
 例え自身が何事にも関わらなく、平穏な日常を望んでいたとしてもだ。
 ――月村一族は吸血鬼であり、一般人ではない。だが基本的に人間に危害を加えることもなく、日常を望む温厚的な部類に入る。

 そんな彼女達でさえ、吸血鬼であるという事実だけで狙われてきたのだ。

 それをよく理解している恭也は深く溜め息を吐くが、困ったように口を開く。
 ――苦笑いを浮かべて。

「――というわけで…………諦めろ、士郎」
「――少しは母親に抗おうとはしないのか?」

 士郎の意志に通じるものがある恭也は全面的に賛同だったが、横目で桃子の笑顔を見てしまい諦めてしまったのだ。

「……そう。つまりシロくんは自分が厄介事を呼ぶ人だから関わらない方が良い――そう言っているのね?」
「そういうことになるな」
「――――なら問題ないわね。今日から翠屋でのアルバイト……頼むわねっ」
「何故そうなるっ!?」

 何度か頷いた後で、良い笑顔で先程までの話がなかったかのように押しきった彼女に士郎は堪らず絶叫した。
 ――同時に何故自分の知り合う女性にはこんな人ばかりしかいないのかとも。

「良いのよ。裏が裏を呼ぶのだったら夫や子供たちなんて全員が裏に関わってる人間なんだから。そこに一人増えるくらいなら問題ないわよ」

 士郎はその言葉に押し黙るしなかった。本当はといえば自身のそれは――恭也達の部類とは訳が違う――と心の底から否定したかったのだが、根本的には双方とも裏に関わる人間であるので否定出来なかったのだ。
 それでも険しい様子を隠さない士郎に対して桃子は優しく微笑みながら口を開いた。

「――シロくんが私達を守ってくれたら万事解決なんだから」
「……貴方は…君は今、魔術の危険性を本当に理解した上でそう言っているのか?」
「ええ。だけどその魔術を扱っているのがシロくんなら頼りになるくらいよ」

 その言葉にどれ程の救いがあったのかはこの場にいる誰にも分からないだろう。
微笑みを浮かべながらそう言った桃子を士郎は近くにいながら遠くに見え、そして張り詰めていた息を吐くと――承知した、とだけ伝えた。




 ーInterlude outー




 士郎の翠屋バイトの件を終え、恭也と忍はそこからそう遠く離れていない森林の中道を歩いていた。
 特にここに用があったわけでも、ただここに来たかったわけでもなく、あの話の後に士郎にここに来るようにとだけ伝えられたから訪れたにすぎない。
 
「――あれで良かったの?恭也」
「……良し悪しで言うなら、俺も士郎と同じで
反対だな。――まあ大丈夫だろう。会ってそれほどたってないが、士郎が母さんに危害を加える
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