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乱世の確率事象改変
彼女の家は何処か
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、一つの想いで繋がっている。たった一人の離脱者も出る事無くここまで来ている。
 しかし……籠城せずに救援を待ち、勝機を得るためにはどうする? どうすればいい?
 ずっと考えるも答えは出ず、そういえば私には頼りになる優秀な臣が居たと考えて、振り向いて星と牡丹の二人に話しかける。
「二人にこれからの戦の事を聞きたい。多分だけど籠城戦はもう出来ない、いや、しちゃダメだと思うんだ」
「どうしてですか?」
 不思議そうに聞き返す牡丹。対して星は疑問に少し眉を寄せたが直ぐに目を見開いた。
「……そうですな。あの状況に似すぎております。牡丹よ、思い出してみろ。洛陽で長い攻城戦を決戦に切り替えさせたのは誰の策であったかをな」
 牡丹は星に説明されて思い出したようで不機嫌に顔を顰め、
「……あのバカの出した策をあいつらが使うなんて……許せません」
 ぼそっと呟いて俯く。その言葉の真意は友の考案した策で追い詰められそうな私を気遣っての事なのか、それとも……どっちもだろう。
「他の策にしろ過去の偉人達が考案したモノだ。なら誰かがそれを使ったとしても何も問題など無いさ」
 軽く言って牡丹を宥めたが、それでもまだ彼女の機嫌は直らなかった。
 いつものようなやり取りをしているのもいいのだが、それでは時間が勿体ないのでもう触れずに一番聞きたい事を聞く事にした。
「えっとな……お前達にも少し考えて欲しい。私達の一番の武器を殺してしまう籠城戦では無く、救援を待ちつつ勝機を見定めるにはどうすればいいかを」
 救援の依頼の為に方々に伝令を走らせては要るが……小隊が着くのに良くて二日。大きな部隊が着くには、どんなに急いでも後五日は必要だ。
 二人はそれぞれ思考に潜るが答えは出そうにないようだった。
 そのまま暗がりの行軍を続ける中、目指している城の影が目に入る。
「まあ、とりあえずあの城に着いてからゆっくり煮詰めようか。腰を据えて考えた方がいい案も浮かぶだろう」
 後ろの部隊の兵達もやはり夜を徹しての行軍に疲れがあるようで城の影を見てほっと息をつく音が複数聞こえた。
 私達の軍が近付くまで到着しても開かない城門を不思議に思ったが、警戒の為だろうと考え、城の前に馬を進めて城門を開けて貰う為に大きな声を張り上げる。
「我らは公孫軍である! この城にてしばしの休息を行いたいので城門を開けてくれ!」
 声に反応して動く影が幾人。直ぐにでも城門が開くだろうと思ったその時――――突如、矢が何本か放たれて私の馬の前方に突き刺さった。
「なっ! 何故だ! 何故私達に矢を放つ!?」
 急いで馬を下がらせ、兵達のどよめきを背に、尚も声を張り上げると、下卑た笑い声が夜の空に響き渡った。
「クカカ! 夜を徹しての無駄な行軍お疲れ様です、公孫伯珪殿! 初めましてになるでしょう
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