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『もしも門が1941年の大日本帝国に開いたら……』
第四十二話
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なのか?」

 次々と倒れていく委員や掃除夫達を見ながらヴィフィータはそう呟いた。

「ぼさっとするなッ!! 早く後方に下がれッ!!」
「お、俺達は騎士だッ!! 下がることなどしないぞッ!!」
「最後に出番があるから一旦下がれッ!!」

 反論するヴィフィータに樹はそう言ってベ式機関短銃を掃除夫に叩き込む。樹は射撃をしつつ九九式手榴弾を投げる。
 樹はヴィフィータ達を伴い陣地へ後退する。そして手榴弾は何も判っていない委員達の足下で爆発して数人の委員を吹き飛ばした。
 そこへ九二式重機関銃も射撃を始め、守備隊の最大火砲で虎の子である九四式山砲二門も砲撃を始めて掃除夫達を肉片に変えた。

「騎士団さん、今だよ」
「よ、よし。野郎共ッ!! 花嫁を守れッ!! 抜刀ッ!!」

 騎士団の兵士達は己の剣を抜いた。太陽の光で刃がキラリと光る。

「皇太子の配下だろうが構うなッ!!」
「女と年寄りは道を開けろッ!!」
「他人の恋路を邪魔する奴はコボルトに食われて死んでしまえッ!!」

 騎士団は先程の菅原の行動を見ており士気は最高だった。そしてヴィフィータが剣を掲げた。

「此処は外交特権に守られた使節の館。帝権も及ばぬ異国。力ずくで押し入らんとする者はだれであろうとこのヴィフィータ・エ・カティが皇帝陛下の御名の下に討つッ!! 突撃、前へェッ!!」
『ウワアァァァァァーーーッ!!!』

 抜刀している騎士団は雄叫びをあげて全滅寸前の委員と掃除夫達へ突撃を敢行するのであった。



「何ッ!? 翡翠宮へ向かった部隊が壊滅しただとッ!!」
「は、残存は僅か九名です」

 指揮を取っていた委員達の報告にルフルス・ハ・ラインズ次期法務官は驚愕した。

「た、直ちに帝都全域に展開している帝国兵を集結させるのだッ!!」
「はッ!!」
「いや、貴様らではない」

 下がろうとしていた委員達にラインズは呼び止めた。

「貴様らには委員裁判が待っている。即時裁決をしてやる」

 ラインズ次期法務官の言葉に生き残りの委員達は顔を青ざめた。ラインズはギムレット委員部長を死刑と宣告して言い訳を与える暇をせずに処罰した。

「くそ、何でこんな事に……」

 ラインズはそう呟いた。そして天気は雲が群がり雨となった。

「健軍大佐、これでは落下傘降下は危険です」
「むぅ……やむを得まい。出直すしかあるまい」

 空挺部隊を乗せた輸送機と爆撃機が帝都に飛行してきたが雲が厚く、風速と雨もありとても降下出来るものではなかった。
 空挺部隊はやむ得ず引き返した。そのためこの日の空挺作戦は失敗した。

「大田大佐、何日まで持ちこたえられるかね?」
「念のためにと弾薬類は多めに携帯しています。空路で上から
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