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箱庭に流れる旋律
ヴァイオリニスト、登場する
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 さて、白夜叉さんに言われた場所に来たんだけど・・・

「本当に皆眠ってますね・・・起こした方がいいんでしょうか?」
「やめておきましょう。邪魔なだけですし」

 確かに邪魔だとは思うけど、だからって蹴散らしながら進むのはどうかと思う。
 いや、音楽シリーズの影響なら絶対に起きないけどさ・・・

「そんなことより、この音、何か気付きませんか?」
「音というと・・・ヴァイオリンの音ですか?そうですね・・・」

 言われてみて初めてしっかりと聞くと、何か違和感を感じた。

「なんでしょうね、これ。なんと言うか・・・ただ弾いているというより、狂ってる?いや、音はあってますし、普通に上手いんですけど・・・」
「ですね。私もそう思います。音やリズムの狂いではなく、引き手そのものが狂っているような、そんな感じが音に現れています」

 ラッテンさんも僕と同意見のようだ。
 なんというか・・・本当に、それ以外の表し方を思いつかないんですよね・・・

「まあ、本人に会えば分かるでしょう。行きますよ、ご主人様」
「あ、はい。行きましょう」

 そして、僕とラッテンさんはどんどん先に進んで行き・・・なんか少し場違いな神殿を発見した。

「なんですか、これ・・・神殿?」
「あ、ご主人様。看板がありますよ?」

 ラッテンさんが指差す先には、確かに看板が立ててあった。
 何故看板・・・?と思いながらもそれをみると・・・

『悪い魔道士の相談所』

「いや、訳分かりませんよ!え?この中にいるのってヴァイオリニストじゃないんですか!?」
「いい突込みですよ、ご主人様」
「うれしくないです!」

 いや、入り口にこんな看板があったら誰でも突っ込むと思う。そうでなくとも、少しくらいは疑問に思うはずだ。そうであって欲しい。

「まあ、なんだか怪しいですし、ここに入りましょうか?」
「怪しいからこそ、避けたいんですけどね・・・この中から聞こえてくるヴァイオリンの音さえなければ・・・」

 間違いなく、音はここから聞こえてくるんですよね・・・確かに、定番ですけど・・・

「わざわざ、こんな分かりやすく怪しいところにいなくても・・・」
「確かにそうですけど、目立ちたがりが多いですからね、この世界。それと、より多くの人を眠らせるのが狙いなら、あえて目立つ方がいいかと」
「なるほど・・・」

 確かに、それが狙いならこうして目立つ理由も分かる。
 さて、それなら・・・

「入りますか?ラッテンさん」
「そうですね・・・入りましょう、ご主人様」

 そして、僕とラッテンさんは神殿の中に入っていった。

「「逃げろーー!!!」」

 そして、一分としない間に逃げるように逆走を始めた。
 が、中
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